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CPAとROASから考える、失敗しないネット広告の運用方法

近年新しい手法がどんどん登場しているネット広告ですが、どういう判断基準で自社に合った広告を選定し運用すればよいか、基準が分からずに色々な広告手法に着手出来ないEC担当者の方も多いと思います。 認知拡大やブランドイメージの向上など指標は様々あるかと思いますが、今回は費用対効果を軸にした広告の選び方についてご紹介したいと思います。 基準の明確化 最初に決めなければいけないのはネット広告を実施した際の指標や評価基準などを明確にすることです。 広告効果の中にもCPCやCPA、ROIといった様々な指標が存在します。 自社サイトが今、どんなフェーズにいて、何を達成するためにネット広告を実施するのか、それを定めておきましょう。 今回は多くのECサイトや運営担当者が指標にしているCPA(顧客獲得一人あたりの支払額)とROAS(広告の費用対効果)の2つを基準として考えていきます。 これら2つの指標を改善するために、つまりCPA単価を低く、ROAS値を高くしやすい広告を選ぶためにどうすればよいか、次章からその具体的な考え方について紹介していきます。 CPA指標の場合の改善方法 まずはCPAを指標とした場合のネット広告の改善方法について考えてみましょう。 CPAを簡単におさらいしておくと、商品購入や会員登録など広告主があらかじめ設定したコンバージョン(成果や目標)が1回発生するまでに使用した広告費のことをいいます。 詳しい解説はこちらの記事をご参考下さい。 このCPAの改善については以下の式をもとに考えることが有効です。 CPC÷CVR=CPA 例えばCPC(クリック単価)が20円、CVR(コンバージョン率)が1%の場合、CPAは2000円となりますね。 よってCPAに影響を与えるのは、クリック単価とコンバージョン率の2つであり、これら2つを改善することでCPAを下げることが可能です。 上図は、基準値からクリック単価、コンバージョン率をそれぞれ改善した場合に、CPAがどう変化しているかを表しています。 施策①ではクリック単価を20円→15円に下げることでCPAを1500円に、施策②ではコンバージョン率を1.0%→2.0%に上げることでCPAを1000円に改善した場合です。 CPAを基準にした場合、クリック単価とコンバージョン率の2つの改善に長けた広告を選ぶべきだと言えます。 具体的な方法は広告手法によって様々ですが、一例としてリスティング広告の改善方法をご紹介します。 まずクリック単価を下げる方法ですが、リスティング広告はクリック課金のサービスなので、単純に入札金額を下げればクリック単価は下げることは可能です。 ただ、入札金額を下げるだけでは掲載位置が下がりコンバージョン率低下の原因にもなりかねません。 そこで、クリック単価とキーワードとの関連度から決まる品質スコア(品質インデックス)を上げる、ビッグキーワードよりも具体的で語句数が多いため、入札であまり競合せずCPC単価が安い傾向にあるスモールキーワードへの入札を行うなどして、クリック単価を調整するようにしましょう。 また最近ではスマホ最適化済みのサイトも多いですが、まだ最適化をしていないサービスも存在するため、デバイスをスマートフォンに限定して入札した時には安いクリック単価で出せる場合もあるようです。 次にコンバージョン率を上げる方法ですが、これはリンク先ページにおけるコンバージョンまでの導線や、サイト自体の使い勝手に大きく影響するため短期的に変わらない部分もあります。 ですが、リスティング専用のLPを作る、キーワードと広告文とリンク先ページに一貫性を持たせるなどするとコンバージョン率の向上が見込めます。 ROAS指標の場合の改善方法 次はROASを指標とした場合の広告の改善方法について考えてみましょう。 ROASとは広告経由で発生した売上を使った広告費用で割った数値のことで、広告の費用対効果とも言ったりします。 具体的には以下の式で求めることが可能です。 ROAS=広告経由売上÷広告費×100(%が単位になるため) 例えばCPAが2000円で平均の顧客単価が10000円だった場合、ROASは500%、つまり広告で使った費用の5倍の売上を得たということになります。 ROASに関しても参照記事があるので、詳しくはこちらをご参照下さい。 ROASを改善するための方法は式から考えるとCPAを下げるか、広告経由の売上に繋がる顧客単価を上げるかの2つが考えられます。 こちらの図も先ほどと同じようにCPAを下げた時、顧客単価を上げたときのROASの変化を表しています。 施策①では前章で紹介したクリック単価を下げる、またはコンバージョン率を上げることでCPAを下げて、ROASを667%に改善した場合、施策②は顧客単価を3000円上げることで、ROASを650%に改善した場合です。 ROASを改善させるには、CPAを下げること、顧客単価を高めることが重要になるのですが、ここでもリスティング広告を例に、その方法を紹介しましょう。 CPAを下げる方法については前章と同様の方法となりますが、難しいのは顧客単価を上げることです。 一例として、デバイス毎で目標設定を行う方法があります。 単価の高い商品はスマートフォンで閲覧したあとにPCでしっかり詳細を確認し、最終的な購入はPCで行うという例も多いため、スマートフォンとPCで顧客単価に大きな差が出る場合があります。 そうするとCPA はPCの方がスマートフォンより高くても、顧客単価が高いためにROASはPCの方がよいという場合も考えられますので、PCとスマートフォンで目標CPAを分けて考えることでROASの改善が可能です。 またスモールワードで入札する場合、キーワード毎でも購入単価が変動する可能性もあります。 例えばアクセサリー系だと、自分用でなく、「ペアジュエリー」や「プレゼント」といった、誰かと一緒に使用するものや、誰かのために購入するものだと平均より高単価な商品を選ぶ傾向にあるため、高い顧客単価が見込めるかと思います。 他にもファッションだと「アウター」や「ジャケット」といったキーワードからサイトに流入してきた場合の方が、単価の高いジャケット等の商品を購入してもらいやすいため、購入単価が上がりやすい傾向にあります。 このようにキーワード別の購入単価やCPAでも最適化をかけることが出来ますね。 具体的な事例 基準を設けることで、例えば新しく実施した施策の結果が芳しくなかった時にどのような対策を行えばいいのか、または実施した施策やサービスと自社商品との相性が悪かっただけなのか、など分析の軸を持つことが出来ます。 具体的な内容について、以下の例をもとに見ていきましょう。 ■広告主A社(ファッション系広告主) 2月初旬。3月に向けたマーケティング施策とKPIの検討をしている。 3月が繁忙期に当たるタイミングなので直近の売上増加が重要指標だと考え、「ROAS指標」で広告施策を実施することになった。 現在はアフィリエイト広告、SNS広告、リスティング広告、リターゲティング広告を実施している。 ■3月の施策 ・リスティング広告 春物の購入数を伸ばすことを狙い、「カーディガン」や「ニット」などのスモールキーワードへの入札を強め、ほかのキーワードの入札を弱める運用を行うことにした。 ・リターゲティング広告 これまで実施してきた施策の中で最もROASが良かったので、3月から新しくリターゲティングサービスを追加実施することが決定した。 実施サービスは同業他社も多く利用していて、自動で最適化がかかることから運用の手間がかからないと考え、B社のサービスに決定。 ■3月施策の結果 ・リスティング広告 春物の購入件数を伸ばすことに成功したのだが、顧客単価が当初の想定よりも下がってしまったため、最終的なROASは目標値より下回ってしまった。 ・リターゲティング広告 リターゲティングは新しいサービスを追加したことで売上自体は伸びたが、クリック単価が以前よりもかなり高くなり、かつ新しく実施したサービスのコンバージョン率が想定よりも低い数値となり、費用対効果としては期待していたよりも下回る結果となった。 ■考察 さて今回のケースではどれが誤った施策で、実際にはどのような対策を取るべきだったのでしょうか。 まずリスティングに関しては顧客単価が下がったことがROAS悪化の要因ということなので狙ったキーワードの選択が誤っていた可能性があります。 3月という時期を考えると、自分用に春物の洋服を買おうと考えている人もいれば、バレンタインでチョコをもらった男性がお返しを探している、といったことも考えられます。 なのでホワイトデー需要を狙って「プレゼント」や「アクセサリー」などのキーワードへ入札を行う、もしくは「ホワイトデー」というキーワードと別のキーワードを絡めて入札を行うと、顧客単価は高まるかもしれません。 他にもデバイス別で分析を行うと、PCでは比較的年齢層が高く、単価の高い商品を購入する人のコンバージョンが多い、逆にスマートフォンは若い年齢層がメインターゲットとなりやすいため、ホワイトデーのお返しを購入するユーザーについて母数は多いが、購入単価は低いといった傾向も出てくるかもしれません。 そういったデバイス毎の傾向をもとに設定を考えると、より効果の改善が見込めるのではないでしょうか。 次にリターゲティング広告についても考えてみましょう。 これは新しく追加するサービス会社の選択を誤った可能性が高いです。 3月に実施する施策を2月初旬から検討するのであれば、かなり短期間で最適化をかける必要がありますが、自動運用のサービスでは最適化に一定の時間がかかるため、直近での売り上げを作る施策(ROASを向上させる施策)としては不向きな可能性があります。 またクリック単価が高くなっていた点から同じ配信面に対して、多数の会社が入札をしてしまい、入札のクリック単価を高め合ってしまったことも考えられます。 そうすると配信面の独自性が高い、または配信面のセグメントを設定できるサービスが向いていたかもしれませんね。 このように重要指標であったROASが悪化した原因をサービス別、要素別で考えて改善を加えていくことで、ミスのない運用を行うことが可能になります。 まとめ いかがだったでしょうか。 今回はCPAやROASといったネット広告の効果指標に基づいた、広告の運用方法についてご紹介しました。 今回ご紹介した基準や目標を設けるということは、分析軸を持つことが出来るので、効率的に広告運用をしていくことが出来ます。 また現状効果の悪いサービスの改善策を考えるための判断基準にも役立つと思うので、是非参考にして頂けると嬉しいです。

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そのネット広告、プロモーションとして大丈夫?「ROAS」「ROI」「CPA」を理解して広告運用に活かそう!

こんにちは。nex8事業部の井上です。 人生二回目のブログです。 前回の私の記事では目標CPAの設定方法や改善策について書きましたが、今回はCPAより一歩踏み込んだ「ROAS」「ROI」を取り入れた広告運用について書いていきたいと思います。 「CPA」が成果あたりの広告費用を表しているのに対し、今回の「ROAS」「ROI」は簡単に言うと、広告出稿していて本当に儲かっているのかどうかを計る指標と言えます。 特に「ROAS」と「ROI」は混同しやすいので、今まで知っていた方も今日初めて聞いた方も、まずは改めてその違いや重要性について理解して頂ければと思います。 ROASとROIについて まずは「ROAS」と「ROI」について違いをしっかりと理解しましょう。 ROASとは ROASとは、Return On Advertising Spendの頭文字を取った略語で、投資した広告費に対して「何%の“売上”が回収できたか」を測る指標です。 リスティング広告やディスプレイ広告などのネット広告を実施する際、売上に対する重要な指標の1つとして挙げられるのがこのROASであり、この数値が高い程、費用対効果が高く効率的に広告を運用出来ていると言えます。 ROASを出す計算式は以下となります。 例えば、広告経由の売上が50万円で広告費が10万円かかった場合のROASは、 となり、広告費に対し500%の売上を獲得できた事になります。(広告掲載費1円あたり5円の売上) ROIとは 続いてROIです。 ROIとは、Return on Investmentの頭文字を取った略語で、投資した広告費に対して「何%の“利益”が回収できたか」を測る指標です。 CPAやROASと共に広告の費用対効果を測定する指標として使われます。 ROIを出す計算式は以下となります。 例えば、1,000円の利益が見込める商品がダイナミックリターゲティング経由で300個販売でき、その広告費が10万円だった場合のROIは、 となり、広告掲載費1円あたり2円の利益を生み出している計算になります。 ROASとROIの違い 上で見てきたように、ROASとROIはどちらも広告費に対しての成果を見る指標で、ROASはどれだけ「“売上”を得られたか」、ROIはどれだけ「“利益”を得られたか」を見る指標です。 ここで注意しておかなくてはいけないのが、ROASが100%以上でもROIがマイナスになる場合は、投資した広告費に見合っていない可能性がある、ということです。 どういうことか具体的なケースで考えてみましょう。 販売価格3,000円、平均利益500円の商品を広告費10万円かけて50個販売出来たとします。 この場合、広告費に見合った効果が得られていたのでしょうか。 【ROAS=広告経由の売上÷広告費×100】 【ROI=(コンバージョン数×平均利益単価-広告費)÷広告費×100】 を使ってそれぞれを計算してみます。 上記のように、ROASは150%(広告掲載費1円あたり1.5円の売上)なので、かけた広告費以上の売上は出せています。 一方で、ROIは-75%(広告掲載費1円あたり0.75円の損失)となってしまっているので、利益ベースで見た時に広告費以上の利益が得られていないという事になります。 売上は良くても利益が得られないのであれば、費用に見合った効果が得られたとは言えませんね。 もちろん、認知してもらうためのフェーズであるなど、状況によってはROIがマイナスでも問題ない時もあるので、一概に失敗だと言い切れるわけではありません。 ですがこのように広告運用をする上ではROASとROIどちらも算出することが求められます。 そして両方の指標を照らし合わせる事で最適な広告費用を考えることが出来るのです。 CPAとROAS/ROIの使い分け ROASとROIの違いや使い方が分かって頂けたと思うので、ここからはCPAの考えも取り入れて売上や利益について考えていきましょう。 ネット広告を運用する際には、業種によって「ROAS」と「ROI」、「CPA」をそれぞれの性質を踏まえながら使い分ける必要があります。 一般的に会員登録や資料請求などオンラインだけで購買活動が完結しないサイト(人材・不動産)や、扱っている商品が1種類だけのサイトの場合はCPA指標が適しています。 逆にオンラインだけで購買活動が完結し、かつ価格帯の異なる商品を販売しているECサイトなどはROASやROI指標で運用するのが適していると言えます。 ネット広告の場合、LTV(※)を算出することで投資可能なCPAを決める事が多いと思いますが、アパレル系や総合通販ショッピングサイトでは顧客単価やリピート率が異なるケースが多いため、売上ベースの指標「ROAS」と利益ベースの指標「ROI」を把握し、広告運用を行っていく必要があるからです。 実際nex8の運用においても、これらの指標を元に入札価格の調整等を行っているのですが、商材ごとに適している指標が異なるので広告運用の方法も当然変わります。 例えばCPA指標で目標より上振れている場合は「CPCを下げる」か「CVRを上げる」対策をする、ROAS/ROI指標で目標に届いていない場合は「CPAを下げる」か「顧客単価を高める」のどちらか、または両方の実施をするといった具合です。 「CPAを下げる」考え方については、「その目標CPA、大丈夫? ネット広告における目標CPAの重要性と改善方法」の記事を参照ください。   ※LTV:顧客生涯価値(Life Time Value)のことで、顧客1人から生涯を通じて得られる利益のこと。 ダイナミックリターゲティングでの比較と改善方法 では、最後に弊社サービスでの実績からそれぞれの指標について考察します。 この表はECアパレル企業でダイナミックリターゲティングを実施した際の「ROAS」「ROI」「CPA」を比較したものになります。 一般的なリターゲティングの場合、サイトの深い階層でリーセンシー期間(Cookie保有期間)の短いユーザーの方がCPAを安く獲得出来る傾向にあります。 上の表を見て頂くとやはり「コンバージョン地点までに近いカート階層」かつ「リーセンシー期間が短いキャンペーン」(カートページ0-3日間)のCPAとROASが一番効果が良い傾向にあるのが分かると思います。 逆に、深い階層であってもリーセンシー期間が長くなるとCPA・ROASともに高騰傾向にあるため、「カート階層より一歩手前の詳細階層」かつ「リーセンシー期間が短いキャンペーン」の方が効率よく獲得しやすいと言えそうですね。 またROIについて見てみるとプラスになっているキャンペーンは「リーセンシー期間の短いキャンペーン」のみとなっています。 ダイナミックリターゲティングにおいてROASを向上させるには、顧客単価の高いユーザーに対し適切な入札単価、適切なタイミング(CTR向上)で広告をいかにして表示させるかにかかっています。(レコメンドロジックなどの要素が多いと思いますが‥) 自社サイトのヘビーユーザーの特性を把握し、ライトユーザーをヘビーユーザーに変えていく為にも、今以上にリターゲティングを強化していくべきなのではないでしょうか。 また広告で獲得した1ユーザーの顧客単価を上げる、再度購入をしてもらうなどすれば、広告費あたりの利益率を高めていくことができ、ROIを向上させることが出来ます。 LTVの考え方も含め、ここについては次回詳細にご紹介したいと思います。 まとめ いかがだったでしょうか? ネット広告におけるプロモーションや広告の手法は日々新しい形態を取るため、本来どんな目的を達成したかったのか、広告費用に見合った効果が本当に出ていたのか、分からなくなっている方も多いのではないのでしょうか。 今回の内容について、当たり前の事だと思う担当者もいると思いますが、「ROAS」や「ROI」を用いることで改めて成果指標を見直し、積極的な事業拡大へ取り組んで頂ければと思います。

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