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O2OサービスでWebマーケ担当と営業担当のコミュニケーション不足が招く悲劇と解決策

こんにちは。nex8事業部の吉山です。 以前にもマーケティング担当の仕事内容に関してお話しましたが、今回はO2OサービスのWebマーケティング担当者の方に向けて、営業担当とのコミュニケーションの必要性とそのポイントをお話していきます。 この2つの部署は距離が近いので、うまく手を組んでいかないと亀裂が入りやすく、最終目標まで辿りつけなくなってしまうことが出てきてしまいます。 よくある失敗例をもとに、具体的な解決案について考えていきましょう。 一部署で完結しないO2Oマーケティング 今回のお話は、Web上で取引が完結しないO2Oサービスを前提にご説明していきます。 具体的には車の購入のようにユーザーがWeb上で来店予約をして、実際に来店した時に金銭が発生するといったサービスを扱うWebマーケティング担当の方を対象としています。 前回の私の記事では、Webマーケティング担当はWebという手段を使って売上を増やす、会員数を増やすなど、「目標」に掲げる地点までの流れを作るのが仕事だとお伝えしました。 目標を具体的に数値化したものがKGI(Key Goal Indicator)で、そのKGIを達成するために実際どんなことをすればよいか、分解して考えた時に達成すべき数値目標をKPIといいます。 こちらについては前回の記事を参照してみてください。 O2Oサービスでは、ユーザーがWebで申し込みや問い合わせをした後、実店舗へ流れていきコンバージョンすることが求められます。 つまり会社として最終目的、例えば売上を上げる、という目的に対して、2つの部署がかかわっている、という状況です。 先ほどの車の例でいうならば、Webマーケティングの部署では、Webサイトから来店予約をしてもらうのが目標(KGI)となるので、KPIは流入数や来店予約率になります。 それに対し、実店舗の営業担当は、最終的にどれだけ売り上げたかがKGIとなることが多いので、KPIは来店後の引き上げ率や売上となるわけです。 こういった場合によくあるのが、Webマーケティング担当者と営業担当の間でしっかりとした意思疎通ができておらず2つの部署の仲が悪くなり、会社全体としての目標達成が叶わなくなってしまうことです。 では具体的な例を次の章で見ていきましょう。 上手く行かなかったのはWebマーケvs営業どっちのせい? あるエステ店でのことです。 この企業では秋冬が閑散期となるので、売上の底上げをするべく新規顧客獲得の集客施策を行うことになりました。 そこで会社全体で「毎月30人、新規会員登録をしてもらう」という目標を掲げました。 具体的には期間限定の「初回無料エステ体験」のキャンペーンを実施し、それをフックに来店と新規会員登録を促そうと考えたのです。 この時ユーザーの動線はざっくりと、【Webサイト流入→Webでお試し体験を予約→実際に来店→会員登録】という流れになります。 Webマーケティング担当が広告施策の実施やキャンペーンページの設計・運用を行うことで新規ユーザーを呼び込み、Web予約まで誘導し、その後は営業担当へバトンタッチして、実店舗に来店したユーザーへ対面営業して会員になってもらう、という流れですね。 この施策を1か月やってみた結果、新規会員登録数は「10人」と大幅な未達でした。 さて、ここからが本題です。 未達であった場合、当たり前ですがなぜ未達となってしまったのか、原因をしっかりと探さないと今後もずっと達成できないかもしれません。 この原因究明もWebマーケティング担当の大切な仕事になるのです。 プロモーションを段階ごとに見て原因究明をしてみよう 今回の例ではユーザーの動線から未達となった原因が大きく3つ考えられます。 ① Web予約数× ② Web予約数○→来店数× ③ Web予約数○→来店数○→会員登録数× そもそも今回、Webマーケティング担当はWeb予約の目標数(Webマーケティング担当のKGI)を決める際、前回行ったキャンペーンの結果から目標を逆算して割り出していました。 試算では、最終的に30人の新規会員登録者を獲得する(会社としてのKGI)には、60人来店が必要(来店者の半分が会員になる想定)で、そのためにはまず120人Web予約が必要(Web予約数の半分が来店する想定)でした。 では、この計算を元に、先ほどの未達理由3つについて考えていきましょう。 ① Web予約数が×の場合 これはWebからの予約数が目標の120人に達していなかった場合で、Webマーケティング担当のKGIが未達ということになります。 広告宣伝を強めることでの流入数の増加、またはサイト上での予約をより促しやすくする必要があるでしょう。 ② Web予約数○→来店数が×の場合 120人のWeb予約はあったのに、実際に来店した人数が60人以下、40人程度だったというような場合です。 これでは仮にこの後の会員登録率は想定どおり50%だったとしても未達となってしまいますね。 これはその都度、Webマーケティング担当と営業担当が来店人数の確認を取り合い想定よりも今回の来店率が悪いことを早期に共有できていれば、その時点で予約数を増やす為の施策を実行できたはずです。 部署間での情報共有をしっかりしていれば解決することが出来そうですね。 ③ Web予約数○→来店数○→会員登録数が×の場合 Webからの予約数も十分で来店も想定通り50%は来ている、それなのに会員登録につながらなかった、という場合です。 これは営業のKGIが未達(営業のせいだ)と考えるWebマーケティング担当さんは多いのではないでしょうか。 一見営業担当の力不足で目標達成できなかったようにも見えますが、目標の畑が全く違うから相手の責任だと考えていては、本来改善できるものも改善できなくなってしまいます。 なぜ必要数が来店しているのに、会員登録まで至っていないのか。 もちろん営業力不足という可能性もありますが、この時も営業担当と密なコミュニケーションを取ることで別の要因が見えてくる場合があります。 営業担当とのコミュニケーションはこう活かそう もしこのままお互いが情報の共有をしないと下のイラストのようになってしまい、一向に関係性は良くなりませんし、目標達成も難しいでしょう。 ですが営業は現場のプロであり、どういったユーザーが会員登録してくれやすいかしっかり分かっています。 ここで今回のキャンペーンで来店したユーザーについて実際の現場にいる営業担当に聞いてみると、解決の糸口が見えてきました。 営業によると、会員になりやすいのは「30代~40代の働いている女性」だということでした。 このユーザーであれば半数の50%は会員になってくれているという実績もあり、前回のキャンペーンではここがきちんと押さえられていました。 Webマーケティング担当は数字だけで判断し、今回の試算をしてしまっていたのです。 さらに営業担当からしっかり話を聞いてみると、実は今回来店したユーザーは「無料体験」というキャンペーンにつられた若い女性ばかりだったというのです。 前回成功したキャンペーンよりさらに獲得数を伸ばす目的で企画した、最初のWeb予約数を増やすためのフックである無料体験がコンバージョン率を下げていたのです。 必要数と考えていた60人の来店のうち、ターゲットとしている30代以降のユーザーは20人でした。 その為、会員登録に結びついたユーザーは10人という結果になってしまったのです。 つまり今回は、「対象としたいユーザーを集められていなかったこと」が目標未達成の原因だったのです。 ここで重要になるのが、それぞれの目標だけを達成することにこだわるのではなく、最終目標である「新規会員30人」を達成するために、どういったユーザーを連れてくることが出来ればいいか、そのために何をすればよいかを、Webマーケティング担当と営業担当でしっかりとペルソナやカスタマージャーニーを作り共有しておくことです。 そうすることで、Webマーケティング担当は「せっかく目標人数連れてきたのに営業のせいで達成しなかったじゃないか」とか営業担当も「全然優良な顧客を連れてこないWebマーケティング担当はだめだな」といった内部でのもめごとが軽減でき、課題がどこにあったかを見つけやすくなります。 Webマーケティング担当と営業担当、それぞれお互いの土俵で一番詳しいのはその土俵にいる人なんですから、目標達成に向けてちゃんと情報を共有していけるといいですね。 まとめ いかがでしたでしょうか。 このようにWebマーケティング担当、営業担当とお互いに常々ちゃんと必要な情報や意見の共有をしていないと、本当の原因を見つけられず、永遠に目標達成出来ない、なんてことも起こり得ます。 今一度、目標達成できていない原因がどこにあるのか、目の前の数字と共に、営業担当とのコミュニケーションを通して確認してみてください。

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ECサイトでマーケティングオートメーションツールの効果を最大限にするために抑えておくべきポイントとは

マーケティングオートメーションの概要について、以前の記事では特徴やECサイトにおけるの導入メリットなど基礎的な内容をお伝えしました。 あなたのECサイトでマーケティングオートメーションを導入するメリットを、少しでも感じて頂けたなら嬉しいです。 今回はマーケティングオートメーションツールの導入に向いている業種や、EC担当者が検討すべきツールなど、より実用的な内容を紹介していきたいと思います。 マーケティングオートメーションと相性の良い業種 まずはどんな業種がマーケティングオートメーションとの親和性があり、高い効果を出しやすいかを考えてみましょう。 それはずばり次のいずれかに当てはまる業種だと言われています。 ・検討期間が長い商品 ・在庫の有無が重要な商品 検討期間の長い商品との相性が良い理由は、マーケティングオートメーションは見込み顧客の分析を行い、顧客に合わせて中長期的に引き上げ施策を行うことを得意としているためです。 逆に言うと購入までの検討期間が短い業種だと、その機能を存分に生かすことが難しく、マーケティングオートメーションツールの導入メリットは弱いと言えます。 ですので、価格の安い洋服やお水やお米といった日用品などは、ネットで買うことにあまり躊躇が無く、検討から購入までの期間が短いため、マーケティングオートメーションとの相性はあまり良くないと言えますね。 ただファッションECや日用品を扱っているECサイトでも、冬物の高級なコートやジャケットなどを販売している場合や、家電や家具などの商品を中心に取り扱っている場合は、検討期間が長い傾向にあるため、メルマガで関心の高い商品の特徴や詳細を訴求したり、セール時にディスプレイ広告でセール情報を訴求したりすることで高い効果が期待できます。 在庫の有無が重要な商品については、車や注文住宅などをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。 「大量生産でなく在庫に限りがあること」、「特定の商品在庫があるかないかによって顧客の見込み度合いが大きく変動するものであること」の2点が特徴です。 ※今回のブログではECサイトの定義を物販に限定せず、ネット上で商取引が可能なサイトと定義します。 この場合、マーケティングオートメーションを使うことで顧客のWeb上での行動履歴をもとに関心の高い在庫情報を分析し、その商品が入荷した際の引き上げ施策を自動で行うことが出来るため、顧客の欲しいものを欲しいタイミングで伝えることが可能です。 マーケティングオートメーションと商材との相性をまとめると下記のように表せます。 ◎:分譲マンションや注文住宅、金融系(変動するものでかつ検討期間の長いもの) 〇:車、家具、家電、有名ブランド △:食料品や飲料など日用品関連、単価の安い下着や靴下、プチプラ系のファッションアイテム マーケティングオートメーションを導入するタイミング マーケティングオートメーションと相性の良い業種・商材が分かったところで、次は導入に適したタイミングを考えてみましょう。 高度なマーケティング施策を実施出来るマーケティングオートメーションですが、導入負荷や費用が高かったりするので、ただ導入したいという思いだけでは途中で挫折してしまう危険性もあります。 そこで導入を決める前に、2つの条件を満たしてみるかを考えてみましょう。 ・マーケティングオートメーションで実施したい施策が決まっている ・マーケティングオートメーションを導入できる状況にあること 実施したい施策に関しては「シナリオメール(※1)をA、B、Cというー3つのユーザーセグメントに配信して、効果検証を行いたい」など具体的なアクションに落とし込める段階まで考える必要があります。 ※1:ユーザーの行動パターンから見込み度合いを想定し、それぞれに異なるメール配信を実施すること ただ「シナリオメールを実施したい」だけだと、どんなユーザーセグメントに対しての配信が有効かも不明確ですし、どんなツールを使用したらよいかも判断しづらいです。 そうならないためにはマーケティングオートメーションを導入する前に、まずは別のツールで施策を実施してその有用性が実証されたタイミングで、より高度に施策を実施するためや、同様の施策をより人的リソースを削減して実施するためなど、明確な目的意識を持ってマーケティングオートメーションを導入することが重要です。 次にマーケティングオートメーションを導入できる状態とは、具体的に次の3つの側面を満たしている状態を指します。 ・人的リソース ・導入コスト ・導入時の設計スキル 人的リソースと導入コストに関しては前回のブログにも書きましたが、マーケティングオートメーションを導入するには、全てのマーケティングデータをマーケティングオートメーションツールに移行出来ることや、導入費用分の予算が確保できている状態にあるという、2つの側面を確認しましょう。 3つ目の「導入時の設計スキル」が必要な理由は、マーケティングオートメーションツールによって管理画面や設定事項が異なったり、もしくは管理画面を利用者が独自にカスタマイズすることができるものが存在したりするためです。 またユーザーセグメントを行う広告やマーケティング施策につきものなのが、セグメントを細かく切りすぎで管理が煩雑になってしまい、うまくマーケティング施策を加速出来ないという問題が発生してしまうことです。 ただセグメントや実施する施策を考えるだけでなく、その効果検証をどのように行い、どう次の施策につなげるかという、「どうすれば自社のマーケティングを加速できるのか」まで視野にいれてマーケティングオートメーションツールを設計できるスキルも重要になります。 この点は導入前に管理画面のデモ画面を確認したり、運用型広告やマーケティングオートメーションツールの設計経験がある人材をアサインする、もしくは専任のコンサルタントをつけるなどするのがよいでしょう。 おすすめのマーケティングオートメーションツール 次はECサイトにおすすめのマーケティングオートメーションサービスを紹介しましょう。 ソーシャルメディアへの投稿機能やアプリでの計測が取れるかなど、ECサイトならではの機能もありますが、それ以外のわかりやすい違いは何かと言われるとなかなか出てこないですよね。 そこでこの章では、現在日本のBtoCマーケティングにおいて注目されているマーケティングオートメーションツールと、その特徴を紹介していきます。 ・Marketo(マルケト) 株式会社マルケトが運営するマーケティングオートメーションで、プログラミングの知識がない現場のマーケティング担当者でも、自分が考えた施策をすぐに実行できる操作性の高さや、便利な機能を多く実施出来る施策が幅広いといった特徴をもちます。 広告管理機能が備わっているため、リスティング広告やディスプレイ広告の運用にも活用出来ます。 またその課金式も特徴的で、一般的には送信メールx送信回数などで計上されがちですが、Marketoは連絡先(メール、Facebook、Twitter、アドレスなど)が特定されているアカウント数で料金が変動するため、将来のコストが予測しやすいです。 また管理画面を独自にカスタマイズできる点も嬉しいですね。 ・SATORI (サトリ) SATORI株式会社が提供する、お客様の気持ちを「さとる」マーケティングプラットフォーム。 集客やメール以外の手法での顧客育成、マーケティング活動の効果測定ができることが強みです。 こちらも機能が充実しているので、メルマガ施策以外にも様々な施策を実施したい企業に向いています。 ・R∞(アール・エイト) アフィリエイト広告やアドネットワーク事業を展開しているバリューコマース株式会社が提供するパーソナル・マーケティング・プラットフォームです。 顧客を見える化し、1人1人に合ったメール配信やクーポンオファーなどを行うことで、既存顧客の売上アップを実現できるのが特徴です。 元々アドテクノロジー領域に従事している会社のサービスなので、ECサイトでの導入実績が多そうですね。 ・MAJIN(マジン) 株式会社ジーニーが運営していて、Webブラウザもアプリも横断的に分析できる点がECサイト向きのサービスと言えます。 初月1か月間は無料トライアルで実施でき、無料期間終了後に自動で有料化することもないので、まずは使ってみないとわからない!という人にはおすすめです。 ・カスタマーリングス 株式会社プラスアルファコンサルティングが提供するマーケティングオートメーションツール。顧客行動分析(BI機能)に優れているため、細かい分析に工数をかけずに済む点と、無料でデモ画面を見ることが出来るため、初めてマーケティングオートメーションツールを導入する企業でも安心して導入しやすいサービスと言えるでしょう。 導入後(運用開始後)の注意点 最後にマーケティングオートメーションを導入し、施策の実施段階まで進んだ時に気を付けてほしい点を2つ紹介したいと思います。 適切なシナリオを設計する 実施出来る施策が多い点が魅力なマーケティングオートメーションツールですが、逆に言うと出来ることが多すぎるため、うまく使いこなせず途中で挫折してしまう危険もはらんでいます。 それではせっかく高い導入コストや長い時間をかけて導入できたのに、もったいないですよね。 そうならないためには導入時に適切なシナリオ設計を行い、自社にとって重要な顧客に対して、適切な訴求をかけていくことが大切です。 適切にシナリオ設計を行うためには「ペルソナ」や「カスタマージャーニーマップ」を活用すると良いと言われています。 ペルソナとは対象となるウェブサイトのユーザーの行動や、その背後にある価値観や心理状態を文章化したユーザー像を指し、ユーザー中心のマーケティング施策を行う上では必ず出てくるほど重要なものです。 一般的なペルソナを設計する方法はここでは省略しますが、マーケティングオートメーションにおいては、ペルソナ設計は多少ゆるめに設計するのがよいと言われています。 なぜならマーケティングオートメーションが得意とするのは「今すぐ購入を検討している顧客」ではなく「そのうち購入するであろう顧客」をどうやって興味関心の高い見込顧客(ホットリード)まで引き上げるかという点だからです。 ペルソナは細かく設定しすぎると、どうしても「今すぐ購入を検討している顧客」像が出来上がってしまうので、このペルソナ設計を緩めることでマーケティングオートメーションでの効果を最大化することが出来ます。 カスタマージャーニーマップはこのブログの別記事でも取り上げているので、そちらを参照して下さい。 勝ちパターンをつかめた時に自動化を検討する マーケティングオートメーションツールの運用初期の段階では上述のようにペルソナを作り、まずは手動で施策を実施して、効果検証することが大切です。 これは設計したペルソナやカスタマージャーニーが正しかったのか、想定した施策は合っていたのかが実際にやってみないとなかなかわかりづらい部分があるからです。 手動で細かくターゲットや訴求方法を変えて、最適なシナリオ設計が出来た時に自動化を検討するのが良いでしょう。 ただし全てを自動化させるのは、場合によっては避けた方が良いこともあります。 特に検討期間の長い商品だと1件あたりのCVの重要度が高いので、CV率を高めることが売上向上に繋がります。 例えば長期検討の末、高額な商材を購入しそうなユーザーがいれば、すぐに連絡をしたりアプローチをしたりして、その熱が冷めてしまうのを防ぐべきですよね。 効率化を考えるばかりではなく、状況に応じて自動化出来る部分とそうでない部分を考えることも重要になってきます。 まとめ いかがだったでしょうか。 ECサイトにおいてどのようなマーケティングオートメーションツールを活用して、どのように施策を進めればよいかの道筋は見つかったでしょうか。 まだまだ日本市場に浸透しているサービスではありませんが、近い将来マーケティングオートメーションを導入していること自体は、なんら特別なことではない考えられる時代も来るかもしれません。 そんな時に大切なのはどんなツールを導入しているかではなく、自社に取って重要なユーザーは誰で、そのユーザーに対してどのような施策を打つのがよいのかというノウハウを、どれだけ蓄積できているかではないでしょうか。 ルーティン業務に追われることなく、よりユーザー本位で自社のサービスやマーケティング施策を考えることが出来るような業務体制構築の一助になれば幸いです。

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ECサイトにも使える!?今話題のマーケティングオートメーションについて調べてみた!

皆さんはマーケティングオートメーションという言葉をご存知でしょうか。 日本ではここ数年良く聞かれるようになった言葉で、BtoB関連のサービスを提供している会社では今最も注目を浴びているマーケティング手法の1つと言えるでしょう。 ECサイトを運営している担当者で「BtoB向けのサービスだし、私たちには関係ないかな~」なんて思ったそこのあなた!もう一度このブログのタイトルを見て下さい。 はい!ということで今回はまだマーケティングオートメーションの導入を検討していなかったEC担当者の方向けに、2回に分けてその特徴やECサイトで導入する際の活用メリットなどをご紹介したいと思います。 第1回目は、マーケティングオートメーションの概要についてお伝えしていきます。 マーケティングオートメーションとは 「マーケティングオートメーションって言葉は聞いたことあるけど、実際どんなものなのかはよくわからない」「何となくは知っているけど、実際、何がすごいの?」というEC担当者も多いと思うので、最初にマーケティングオートメーションがどういうサービスなのか説明していきましょう。 マーケティングオートメーションは興味関心・行動が異なる顧客それぞれに合わせて行うマーケティング活動を自動化するためのツールとして提供されているサービスです。 例えばBtoB企業においては、展示会等で名刺を交換しただけの相手に対して、いきなり営業担当が電話して、商談しましょう!発注してください!というのは相手も戸惑ってしまいますよね。 この時、名刺を獲得してきたマーケティング担当が営業担当に対して、ある程度見込みの高い状態で顧客を紹介できれば、スムーズに営業活動を行うことが出来るようになります。 マーケティングオートメーションは、主にマーケティングを担当する部署で使われていて、【見込み顧客の獲得】→【その見込み顧客と良好な関係構築】→【営業担当に成約確度の高くなった顧客を渡す】までの一連のマーケティング施策を自動化して行えます。 上記のように、メルマガによるアプローチや、確度が高くなってきたらセミナー参加の連絡をしてみたりなど、その時々に適したコンテンツと方法による施策を自動で行い顧客と関係構築をすることが出来ます。 BtoC企業でも購買の順番として、【認知する】→【興味・関心を持つ】→【比較・検討する】→【購入】となるのが一般的ですが、それぞれの状態に適したコンテンツをマーケティングオートメーションを用いることで、自動で届けることが出来るようになります。 ここで、興味関心・行動が異なる顧客ごとにマーケティング施策を行うことをOne to Oneマーケティングと呼びます。 例えば「セールを開催する際に、メルマガを開封していない顧客にだけ、ディスプレイ広告で訴求する」といった施策などがあげられますね。 実施出来れば高い効果が期待できそうですが、その実現には複雑な処理や大量の作業が必要となり、人の手を使うだけでは膨大なコストと時間がかかってしまいます。 マーケティング施策のレポーティングやサイト運営といった定常業務もある中で、全てに手を回せないEC担当者も多いかと思いますが、マーケティングオートメーションを導入していれば先程挙げたような定常業務や施策実施のために必要となる情報の処理などを自動 化できるため、「やりたいけどやれなかった施策」が実現可能になるのです。 つまりマーケティングオートメーションはBtoB、BtoC問わずOne To Oneマーケティングを実現するために有益になるツールと考えることが出来ますね。 BtoC企業でマーケティングオートメーションが流行している背景 冒頭でも触れたとおり、マーケティングオートメーションが日本で注目され始めた2014年頃はBtoBの企業での導入が先行していましたが、実際その取引額と成長率はBtoC企業の方が多くなっています。 これはECサイトにおいてOne to Oneマーケティングの重要性が高まっているからだと考えることができます。 近年はECサイトの運営に必要なツールサービスが高品質かつ低価格で利用出来るようになったため、ECに新規参入する企業が急激に増えてきました。 その結果顧客は商品を購入する場を選ぶようになり、自社で商品を買ってもらうことが難しくなっていると言えます。 そういったEC市場で生き残るためには、いかに効率よく新規顧客を獲得し、優良顧客となるファンを増やしていくかが重要なポイントになってきています。 顧客1人ひとりのニーズや購買履歴に合わせて行うOne to Oneマーケティングでは購買意欲の高い顧客に適切なタイミングでアプローチができるため、購買につながる確度も高く、効率良く新規顧客獲得が可能なのです。 また顧客が求めている情報を配信するので、広告やメールの配信も顧客にしつこいと思われにくく、その後も自社の商品を買ってくれる優良顧客になりやすいというメリットがあります。 ただOne to

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拝啓 Webマーケティングビギナー様 ~初めてWebマーケティング担当になったら~

こんにちは。nex8事業部吉山です。 今回はWebマーケティング担当になったばかりの人、Webマーケティングを勉強してみたい人、そんなWebマーケティング初心者の為に記事を書きましたので、ぜひご覧ください。 そもそもマーケティングとは 早速ですが、よく聞くこの【マーケティング】ってお仕事、しっかりと内容を理解している人は少ないように感じます。 いろいろな定義や説明の仕方がありますが、簡単に言うと、マーケティングとは「目標に掲げる地点までの流れを作ること」です。 この「目標」となるのは、 売上を増やす、購入数を増やす、資料請求を増やす、訪問者を増やす、認知度を増やす・・・などなど、その時のタイミングや施策などで違ってきます。 ではマーケティングとWebマーケティングって何が違うと思いますか? 実はこれ、根本的には一緒なんです。 というのも、先ほど出た 「目標に掲げる地点までの流れを作ること」を行う手段がWeb上なのか、そうでないのか。 そのグラウンドの違いだけなんですよね。 この2つの担当部署が分かれていたり、マーケティング担当とひとくくりになって両方を一人で管理していたり、 企業によって様々だと思います。 今回はWeb上で行う、Webマーケティングについてお話していこうと思います。 Webマーケティングはまず俯瞰(ふかん)して見ることが大事 Webマーケティングって、SEOとか、ネット広告とかやって集客するんでしょって思ってる人、結構多いんじゃないでしょうか。 もちろんネット広告の配信はユーザーの集客、行動を促進するのにとても重要です。 でもWebマーケティング担当になったら、もっと広い目で自分の会社のWebの立ち位置を見直し、会社の目的を達成するのに最適な方法を模索して動いていかなければいけません。 あなたの会社の中で、Webの立ち位置、重要度、役割はどういったものでしょうか? 会社の目的達成の為にWeb上であなたが行える施策はどんなものがあるでしょうか? まずそこを俯瞰してみることで、Webマーケティング担当者としての最終的な目標が決まってくるわけです。 専門用語では、その最終的な目標のことをKGI、それを達成するための数値目標をKPIといいます。 KPI(Key Performance Indicator)とは重要評価指標と言いますが、本当に目指すべきゴール(KGI:Key Goal Indicatorの略で重要目標達成指標のこと。)までに、どんな作業、分析、工程が必要なのか、それら一つ一つの段階における指標を明確に設定することです。 この指標をつくることが、最初に話した 「目標に掲げる地点までの流れを作ること」の基盤となるのです。 ■KPIとKGIについてもっと詳しく知りたい人はこちら ・EC担当者なら知っておきたい、サイトの目標達成に必要な「KGI」と「KPI」 ここまでWebマーケティングの概要についてお話しました。 次の章では、あなたがアパレル会社のWebマーケティング担当になったという想定で、実際にWeb上で行う具体的な施策を交えて分かりやすくWebマーケティングの仕事を見ていきましょう。 アパレル会社のWebマーケティング担当になった場合 アパレル会社に勤めるあなたは、今日からWebマーケティングの担当になりました。 既にあなたの会社にはホームページとオンラインストアが存在しています。 売上規模としては実店舗での売上が大半を占めている状況ですが、最近は伸び悩みが続いています。 そこであなたに課せられた課題は「オンラインストアからの売上を2か月で1.5倍にすることで全体売上の底上げを図る」というものです。 いきなり売上1.5倍って言われても、何をしていいか分からないですよね。 ここで先ほどのKPIの設定が必要になります。 売上を考える時、一般的には以下のように分解して考えます。 売上=サイト流入数×CVR×購入単価 「売上」がKGI、「サイト流入数」「CVR(購入率)」「購入単価」がKPIですね。 KPIを増加させることが出来れば、結果的にKGIを達成することが出来る、ということです。 そこで今のオンラインストアの現状の数字を把握して、どのように売上が構成されているか確認をします。 ・現状の売上 ・サイトへの今の流入数 ・CVR ・離脱率の多いページ分析 ・1人当たりの購入単価 KGI、KPIとして設定すべき、このあたりの数字をまず把握していくわけですが、その為に有効なのはGoogleアナリティクスなどの解析ツールです。 もし導入していないようであれば即刻入れましょう。 ■Googleアナリティクスの使い方についてもっと詳しく知りたい人はこちら ・【2017年版】EC担当者がGoogleアナリティクスでサイト改善するための基本用語と使い方 ・Googleアナリティクスの便利な機能使ってますか?「セカンダリ・ディメンション」と「加重並べ替え」で効率的に目標を達成する方法 調べたところ、現在オンラインストアの月間売上が1,000万円、サイトの流入数が10万人、CVRが2%、購入単価が5,000円でした。 ここで「とにかく流入数を増やさなきゃ!その為には広告だな!」って短絡的に考えてはだめですよ。 広告で集客やサイト告知をするのは、そのオンラインサイト自体の基盤が出来上がってからです。 例えば2か月猶予があるので、1か月をサイト改修にあててCVRの増加を狙い、残りの1か月に広告施策をあてる、とすると2パターン考えることが出来ます。 売上のところを見てもらいたいのですが、先にCVRを上げる(つまりサイト改修をする)パターン②の方が2か月経った時の合計の売上金額が高いですよね。 つまり効率的に売上を伸ばすことが出来ているわけです。 これを踏まえ、まずはオンラインストア上の問題を解決していきます。 その為に、上記で紹介したGoogleアナリティクスで離脱率の高いページを探してみましょう。 調べた結果、あなたの会社のオンラインストアは、カートページでの離脱率が80%となっていました。 アパレル業界のカートページ離脱率は平均で70%前後くらいなのでちょっと高めです。 よってここを改善することで、CVRを上げることが出来そうです。 そもそもカートに商品を入れたのに、購入しない人がこれほどいるというのはどういうことでしょうか。 もしかしてスマホで見た時、カートページが使いにくいのではないですか? 個人情報入力で必要以上に多くの項目が入っていて、ユーザーに抵抗感や面倒さを感じさせていませんか? などなど、ユーザーがサイトから離れる原因を探してみましょう。 今回はカートページで離脱率が高かった場合を紹介しましたが、トップページだったら、単純にデザイン、サイト構成に問題があるかもしれません。 詳細ページだったら、商品情報が読みにくかったり、ユーザーの求める情報の記載がないかもしれません。 また個別のページではなくサイトのデザイン全体に問題がある可能性もあります。 対象ユーザー層が好むサイトカラー、フォントになっていますか? 毎日見ているとこの感覚もよく分からなくなってきますよね。 そんな時は第三者目線が重要です。 他の社員の方に意見を聞いたり、実際にサイトを使うユーザーにアンケートを取ってみるのもいいでしょう。 この時も、ただ単にアンケート答えて、とお願いしてもなかなか意見は集まりません。 アンケートに答えてくれた人用にノベルティを用意したり、クーポン券を発行したり、ここもユーザー目線を忘れないようにしてくださいね。 このように、今まで疎かにしていた部分に目を向けてみると、必要な作業、改善すべき数字が見えてきます。 原因の目星をつけてオンラインストアを良くしていきましょう。 当たり前ですが無駄な情報は省き、必要な情報はしっかりと提供して、あなたのサイトへの信頼を与えるようにしてくださいね。 試行錯誤をしてサイトを改修した結果、あなたは1か月間でCVRを前月比125%にすることに成功し、オンラインストアの売上は1.25倍になりました。 あと少しで目標の売上1.5倍です。 サイトの運営基盤をしっかりさせたので、ここで広告施策を実施していきます。 売上達成のため、集客におけるKPIを考えていきましょう。 現在サイト流入数は100,000人、CVRは2.5%、購入単価は5,000円です。 1500万になっている必要があるので、CVRと購入単価が前月と変わらないとして、流入数を増やす事で売上を上げるためには、サイト流入数は120,000人必要という事になります。 つまり広告施策等を実施することで、1か月間に120,000人のユーザーを流入させることが、次の目標KPIとなりました。 新規ユーザー獲得に向いているとされる広告施策や手法はいくつかありますが今回は詳細な紹介は省きます。 新規獲得の広告施策について、詳しい説明はこちらの記事を読んでみてください。 ■新規ユーザー獲得や広告施策についてもっと詳しく知りたい人はこちら ・EC担当者が知っておきたいWebマーケティングの基礎知識 ・ECサイトのWebマーケティング施策を購買ファネルから考える ・集客段階別!ネット広告の効率的な活用方法 今回の記事では分かりやすくするために1か月目でサイト構築、2か月目で集客としましたが、1か月でサイト構築が終わらないこともありますし、もちろんこの2つの施策を並行して実施しても良いと思います。 そして覚えておいて欲しいのが、やった施策が必ず上手くいく、というわけではないということです。 実施したら見直しをかけ、どこが良かったか悪かったかを検証し、次の施策に活かしてくださいね。 また更なるステップアップとして広告施策以外で、出来ることも考えてみましょう。 あなたの会社は実店舗が現状の売り上げのメインでしたよね。 それぞれの店舗にオンラインストアの告知チラシを置くのはどうでしょう。 この時も「初回オンラインストアでのお買いもの〇〇%off」とか「ノベルティプレセント」などはやはり効果を発揮しそうですね。 このように既存のサービス、施策以外でもアイデアをどんどん出していけたら、Webマーケティング担当として素晴らしいですね。 まとめ Webマーケティング担当って、ただ広告を配信しているだけじゃないこと、分かっていただけましたでしょうか? 細かなKPIを設定して最終目的地まで着実にたどり着けるよう数字を考えていくことが、Webマーケティング担当として重要です。 ただしそれだけでなく、そこからさらに想像力を膨らませて、新しい施策を取り入れていけたら、Webマーケターとして価値のあることですよね。 ぜひ、数字とアイデア、どちらも柔軟に考えられるWebマーケティング担当を目指してください!

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ECサイトのWebマーケティング施策を購買ファネルから考える

こんにちは。nex8事業部の砂森です。 前回の記事では「Webマーケティング」の基本的な知識や施策について、ECサイトに特化してご説明しました。 EC担当者が知っておきたいWebマーケティングの基礎知識 ですが、やはり自社のECサイトでは何から手を付けてよいか分からない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで今回は前回記事の3章の内容を掘り下げてみようと思います。 ECサイトにおけるWebマーケティング施策を購買ファネルとGoogleアナリティクスを用いて、実際に何を実施するのがいいか具体的な決定の仕方についてご説明をします。 購買ファネルごとのWebマーケティング施策 電通が2005年に提唱したAISASモデルというものがあります。 これはAttention(注意・認知)、Interest(興味・関心)、Search(検索)、Action(行動・購入)、Share(共有)の頭文字をとったもので、インターネットが広く普及した現代でユーザーが購買行動を起こす際の行動プロセスを指しています。 知らなかった商品に注目・認知(Attention)をして、それについてだんだんと興味(Interest)を持ち始めサイトに訪問。 欲しいと思ったので他社と比較しようと検索(Search)をして、比較検討した上で購入(Action)、SNSなどで商品の感想を共有(Shere)する、といったような流れです。 AISASモデルに代表されるように、一般には商品の認知→購入の間でユーザーの母数は徐々に減っていきます。 そしてこれを図示したものは購買ファネル(※)と考えることが出来ます。 ※購買ファネル:広く集客した見込み顧客が、その後検討や商談を経て成約へと進む中で段々と少なくなっていく様子を図にすると漏斗形になることからそう呼ばれています。 購買ファネルの各段階において、次の段階に進む際、ユーザー数は減りますが、この減少ユーザー数を最小化し、最終的な購入に至るユーザーを増やしていくのが、購買ファネルを使った改善施策の考え方です。 減少ユーザー数の最小化を目標に、Webマーケティングの施策を段階別に考えることが出来るのです。 下記では認知、興味・関心、比較検討、購入の4つの段階における施策を簡単に説明しています。 ■認知をさせる施策(Attention) スタートはいつでも知ってもらうことからです。 Yahoo!のTopページにある純広告、Googleのアドネットワークなど、無差別に商品の訴求ができる広告手法や、オウンドメディアを作り、上手く自社のサイトに誘導をすることで、まずは商品をユーザーに認知してもらいましょう。 ■興味・関心を持ってもらう施策(Interest) 知ってもらった商品に対して、興味をさらに持たせ好きになってもらう段階です。 例えばあなたのサイトを見てみようと検索をした際に、キーワード等のSEO対策をして検索上位に表示させたり、リスティング広告を出したりすることでサイト流入を促すことができます。 また何度か同じものを見ることで親近感が湧くとされる単純接触効果を利用し、ディスプレイ広告やSNS広告などを配信することでも効果が見込めます。 ■比較検討段階の施策(Search) 他社と比較するために、似たような商品を調べたり、商品詳細ページを見たりして、どこで買うのがいいかを検討しているユーザーに対して行う施策です。 詳細ページを見たユーザーにリターゲティング広告を配信する、アフィリエイト広告を導入して比較サイトやランキングサイトへの掲載を進めるなど、比較検討するユーザーの候補に常に挙がる状態にしておきましょう。 ■購入してもらうための施策(Action) 比較検討から購入をしてもらうまでがここで行う施策です。 ユーザーの購入体験を損なわないように、LPO(ランディングページの改善)、かご落ちの減少が見込める施策を行いましょう。 この段階での集客方法の例として、ダイナミックリターゲティング広告を使って商品を訴求し詳細ページで直接送ることでユーザーが買いやすい導線を作る事が出来ます。 具体的なKPI設計とWebマーケティング施策例 1章で述べたように、ユーザーの購買行動に合わせたWebマーケティング施策が非常に重要になってきます。 では具体的なユーザーの購買行動に合わせた施策とはどのように考えればよいでしょうか。 ここでは、実際のユーザー行動として以下を考えてみます。 0. ユーザーはあなたのサイトの商品を知らない。 1. 広告等によりあなたのサイトの商品を知り、サイトに訪れる。 2. あなたのサイトに訪れて、Topページ以降も見るが、一旦離脱。 3. 何度か広告等で商品を見かけ関心が強くなり、商品詳細や他社の似た商品を検索する。 4. 比較検討の結果、あなたのサイトで商品を購入する。 このうちの0~3の間で起こりうる課題を解決する、つまり0→1、1→2、2→3に進む際のユーザーの減少率を低くすることが出来れば、最終的な購入率や売上を上げることが出来ると考えられます。 よって、それぞれの段階で適切なKPIを設計し、それを満たすための施策を実施すればよい、ということですね。 この記事では、先ほどのユーザー行動から上図のようなKPIを設定した時を考えます。 またそれぞれの段階での課題やKPIの数値測定についてはアクセス解析を行う必要があるのですが、簡単に検証することの出来るGoogleアナリティクスで説明をしていきます。 「Googleアナリティクス」と「KPI」についてはそれぞれ下記の記事で紹介していますので、参考にしてみて下さい。 EC担当者がGoogleアナリティクスでサイト改善するための基本的な用語と使い方 EC担当者なら知っておきたい、サイトの目標達成に必要な「KGI」と「KPI」 流入を増やす(認知段階での課題) ECサイトの購入率はおよそ2%程度だとされています。 目標の売上に対しそこから逆算をすることで、流入しなければならないユーザー数を算出してみましょう。 ここでのKPIは「流入数」と設定します。 各購買ファネルでの減少率を減らすまえに、そもそものユーザー母数を稼がなくてはなりませんね。 あなたのサイトの平均単価が2,500円、月の売り上げ目標が100万円だった場合、先ほどのユーザー行動を考えると、広告経由も含め月間で2万人を流入させる必要がある、ということです。 Googleアナリティクスの[集客→すべてのトラフィック→チャネル]からどこからの流入が最も効率的に集客しているか確認し、「流入数」が達成出来ていないのであれば、認知してもらう施策にリソースを割いて、この段階でのKPI達成を目指します。 サイトに訪れたユーザーの質を高める(興味関心段階での課題) 商品を知り、興味を持ったユーザーが増えると、あなたのサイトに訪れる新規ユーザー数が増加します。 しかし興味関心度の低いユーザーがいるのも事実です。 先ほど想定したユーザーの購買行動ではTopページ以降を一度でも見てもらわなければいけないのですが、関心の低いユーザーの割合が多くなれば、深い階層のページには訪れないし、先ほどのECサイトでの一般購入率2%というのも低下してしまいます。 ユーザーの質、という点で高いか低いかを判別するために、例えばKPIとして、「実施中の広告経由で流入してきた新規ユーザーの直帰率」を考えてみましょう。 現在実施している広告施策に本当に意味があるのか、を判別する数値であるとも考えられますね。 先ほどと同じように[集客→すべてのトラフィック→チャネル]で流入元ごとの集客状況を開き、デフォルトチャネルグループで「ユーザータイプ」を選んでください。 直帰率で降順にすると以下のようなレポートを見ることが出来ます。 Displayはディスプレイ広告からの流入、Paid Searchはリスティング広告からの流入を表しています。 ここを確認することで、直帰率の著しく高い広告はあるか、もしくは改善をした場合の変化を見ることが出来ます。 改善施策の打ち方として、アドネットワークで広告配信をしていたならば配信面を変えてみる、リスティング広告経由であれば広告文を変更してみる、など流入してくるユーザーの質を変えるように施策を打つことで直帰率の減少を狙ってみてもよいでしょう。 リピーターかつ商品詳細も見ているユーザーを確実に購入につなげる(比較検討段階での課題) Top以降のページに初回訪問後、リターゲティング広告の配信やオウンドメディア等を通じて何度かそのユーザーにサイト訪問をしてもらったとします。 ですが、商品詳細ページなどサイト内の深い階層に来てくれているユーザーとはいえ購入してくれないことも多いですよね。 この時、購入前の比較検討段階で他社を選んでしまっている可能性があります。 それがどれだけいるか確認をしてみましょう。 [行動→サイトコンテンツ→ディレクトリ]を開いてください。 この「ディレクトリ」という項目は、サブドメインごとで分けてあるため、商品番号のみ違う商品詳細ページをまとめて見る時に使い勝手がいい項目です。 画面右上にある、「+セグメント」をクリックして下さい。 これは、見たいレポートの項目の中で、さらにユーザーを区分できる機能です。 ここでは、「コンバージョンに至らなかったユーザー」を選択し適用をクリックします。 さらにセカンダリディメンションで「ユーザータイプ」を選択すると以下のようなレポートが表示されます。 これで離脱率を見ると、「リピーターかつ商品詳細ページに来ているが購入をせずに離脱したユーザーの割合」を見ることが出来ます。 購買ファネルの比較検討段階において、この割合をKPIと設定してもよいでしょう。 [items]をクリックすれば商品ごとのページでの離脱率も分かるので、最も離脱率の高いページの改善を行うことが可能です。 この段階での別の施策としては、ユーザーが他社と比較した際の検索ワードをリスティング広告で確実に押さえる、リターゲティング広告でユーザーをしっかりと購入まで導く、などして購入率の上昇を図る施策が挙げられます。 まとめ いかがでしたでしょうか。 2章でご紹介した3つのKPIは一例なので、サイトの目的によって異なってくるとは思いますが、ユーザーが購入するまでの行動を細分化した購買ファネルの各段階で適切なKPIを設計することで、その目的を達成するためのWebマーケティング施策を効率的に考えることが出来ます。 またGoogleアナリティクスを使うことで、KPIに設定出来そうな様々な数字を簡単に見つけてこれるので、ぜひ使ってみてくださいね!

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EC担当者なら知っておきたい、サイトの目標達成に必要な「KGI」と「KPI」

こんにちは。nex8事業部の砂森です。 前回までの記事で、Googleアナリティクスに出てくる用語や簡単な見方、「目標」の重要性とその設定方法についてご紹介してきました。 Googleアナリティクス上で「目標」を設定すると、サイト改善の軸を作れるので効果的にページの改善を行っていくことが出来ます。 前回はECサイトで幅広く使える例として、購入完了ページを「目標」に設定し、いわゆる「かご落ち」がどこで起きたかを追っていくための設定方法などを紹介しましたが、他にも様々な「目標」の設定が可能です。 では実際設定するにあたり、何を「目標」としたらよいでしょうか。 改善するにも、何を軸にして良いか分からない、という方も多くいらっしゃると思います。 そこで今回は、サイトを運営している目的を達成させる、と言う観点から「KGI」、「KPI」という考え方を使って、Googleアナリティクスの「目標」を何にすればよいかについてご説明していきます。 KGIとは 「KGI」、「KPI」と冒頭で言葉だけ急に使ってしまっていたので、この用語の解説をしたいと思います。 まずは「KGI」からです。 あなたのサイトはどういった目的があって作っていますか? これ前回の記事でも質問させていただきました。 サイトの業種によって色々ありますよね。 ECサイトは「売上」を上げること、メディアサイトは「広告収入」を得ること、キャンペーンサイトは「商品の認知」をしてもらうこと、といったようなものになるのではないでしょうか。 KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とは、あなたのサイトで達成したい目的を、具体的に数字として定量的に表した指標のことを言います。 これが「目標」として設定すべき最初の項目となります。 ここでのポイントは、ECサイトだからと言ってKGIは「売上を伸ばすこと!」のようにするのではなく、漠然としたサイトの目的を具体的に数字に落とし込む、ということです。 サイトの目的が売上を上げることであれば、KGIを例えば「6か月後に今の売上を2倍にする」、「3か月後の売上を前年比150%増にする」、というように、「何を」、「いつまでに」、「どれだけ達成する」、と決めることで計画的に動いてサイト運営をしていくことが可能になります。 また、とにかくみんなに買って欲しいから、サイトを立ち上げた翌月に売上1000億をKGIにする!というのは、もしかしたら可能かもしれませんが、数字を追って改善して計画的に達成させるには少し非現実的になってしまいますよね。 KGIは施策も含め実現可能な範囲かつ意味のある数字で設定をしましょう。 KPIとは 続いてKPIです。 KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)はKGIを達成するために、具体的に何をすればよいのかを表す指標のことを言います。 KGIに続き、2つ目の「目標」として設定すべき項目です。 ではECサイトを例にKPIの決め方を詳しく見ていきましょう。 KPIの決め方 ECサイトを考えるのでKGIは売上とします。 ここで売上は下記のように分解して考えることが出来ます。 ・売上=流入数×CVR×購入単価 CVR(Conversion Rate):サイトに訪れたユーザーのうち、成約(購入など)にいたったユーザーの割合。 最初の「流入数×CVR(=購入数)」はどれだけ商品が買われたかを表しています。 サイトに訪れるユーザーの数(=流入数)と、そのうち購入にいたる割合(=CVR)はどちらも増えると購入数が増加するので、売上増加に貢献することが分かります。 次の購入単価も高ければそれだけ売上は増加しますよね。 上記のように売上目標(=KGI)を達成するためには、流入数、CVR、購入単価といった売上を構成する要因を増加させる必要があります。 売上については別の分解の仕方もあって、例えば ・売上=新規ユーザーの購入金額+リピートユーザーの購入金額 と、表すことも出来ます。 この場合、新規ユーザーをとにかく流入させる、リピート率の改善やリピートユーザーの購入単価を上昇させるなど、「新規」と「リピーター」という先ほどとは違った見方でKGI達成を狙うことになります。 KPIは、上記2つのように「流入数」と「CVR」と「購入単価」、「新規ユーザー売上」と「リピートユーザー売上」など、KGI(今回は売上)を分解した要因を設定することが多いです。 KPIを設定する目的と注意点 こういったKPIを設定することの目的は、実際に施策として何をすればよいかを明確にすること、その目標値に対してサイト運営に携わるメンバーの目的意識を同じ方向に向けさせることにあります。 売上目標に対して、例えば「流入数」を増やす施策を取るのであれば、いつまでにどれだけ増やせばよいか、そのために運営メンバーは何をすればいいかを決めることで、サイト運用の効率化、メンバーの意識向上を狙えるのです。 サイトの達成したい目的から、しっかり数字に落とし込むことが出来て、具体的に何をすればいいかが分かるものをKPIとして選ぶとよいでしょう。 その条件が満たされるのであれば、KPIに設定する項目は何を指標としても構いません。 ただし、注意点があります。 設定項目が何でもいいからと言って、サイトの目的と関係ない指標をたててはいけないということです。 KPIは全て達成されると、KGIが必ず達成されるようにしなければなりません。 KGIを売上目標をとした時、ページの閲覧時間をKPIにしてしまっては、もしKPIは達成できても、おそらくKGIは未達成となるでしょう。 ページの閲覧時間を伸ばすために施策を打って、運営メンバーの時間を使ったのに、結局KGIが達成されないのであれば本末転倒ですね。 あくまで、サイトの目的を達成させるためのKPIですから、そこは慎重に決めていかなくてはならないのです。 それではECの場合を例にもう少し具体的に見ていきましょう。 ECサイトでの「目標」設定具体例 アパレルECのA社を考えてみましょう。 A社では前年度8月の売上が1000万でした。 今年の8月はKGIを「売上前年比150%」と設定したので、1500万を目指します。 前年度の売上を流入数、CVR、購入単価という3つのKPIに分解してみると 1,000万(売上)=250,000人(流入数)×1.00%(CVR)×4,000円(購入単価)だったそうです。 では、売上を1,500万にするにはどうしたらよいでしょうか? 色々なパターンがありますが、一例としてCVRと購入単価は前年と変わらずでも、流入数だけを前年比150%にさせれば、KGIは達成となりますよね。 では流入数を改善するにはどうすればいいでしょうか。 KGIをKPIに分解したのと同様に、「流入数」をさらに分解して考えてみましょう。 例えば、流入元別で考えてみると、広告経由、検索経由、参照サイト経由などに分解することが出来ます。 そうすると、広告費を単純に前年比150%にすればいいのか、増やすならどの広告手法を選べばよいのか、それともSEOを強化するべきなのか・・・といったように具体的にやるべきことがだんだん見えてきます。 もちろん考え方・やり方はたくさんあって、売上を構成する3つの要因をそれぞれ前年比115%にさせても、 流入数(250,000人×1.15)×CVR(1.00%×1.15)×購入単価(4,000円×1.15)=1,520万8,750円 となり、売上は前年比およそ152%となるのでKGIは達成させることが出来ます。 この時も、流入数の構成要素を分解することに加えて、CVR向上のために、かご落ちの割合をどれだけ防げばよいか、購入単価を上げるために、プラスでもう1つ商品を買ってもらうにはどうしたらいいか、などそれぞれのKPIを具体的な施策が考えやすくなる構成要素まで分解すると、設定すべき、または必要に応じて設定した方が良い「目標」に辿り着きます。 「1.KGIとは」で、サイトの目的を具体的な数値で表したKGIを、「2.KPIとは」で、KGIを分解した重要指標のKPIという2つの「目標」を見てきましたが、このように分解の考え方を使うことで、施策レベルのより具体的な「目標」を設定することが可能となります。 実際には時期的な要因や、その他の外部要因も多く関わるので、都度KPIは柔軟に変える必要があります。 その時、最も実現可能性の高い、適切なKPIを設定することが非常に重要です。 また今回はECサイトを例にしましたが、サイトの目的が変わればもちろん設定するKGI、KPIも変わってきます。 例えばメディアサイトであれば、KGIは広告収入の増加でKPIはPV数やページの平均滞在時間、新商品のキャンペーンサイトであれば、KGIは認知度の向上でKPIはセッション数や特定ページへの遷移率等になるので、そこは注意が必要です。 まとめ いかがだったでしょうか。 サイトの目的を達成するためには、適切にKPIを設定して施策を打ち、KGIを達成することが重要となります。 これらの進捗を追ったり、分析をしたりして改善策を練るのに役立つのがGoogleアナリティクスです。 Googleアナリティクスの「目標」設定は、KGIとKPIはもちろんのこと、必要に応じてKPIに関連のある数字や要因も含めて設定をしておくと、効率的にサイトの運用改善をしていくことが可能となるのでオススメです。 ただこういった分析を行っていくと、KPIが大幅に未達成だったり、進捗が思わしくない、ということが起こりえます。そんな時は、 ①KPIの設定が無謀な数字になっていなかったかを見直してみる。 ②無謀ではないKPIで、それは達成しているのに、KGIが未達成に終わった時には、そもそもKGIの達成に対して適切なKPIが設定出来ていたのかを疑ってみる。 ①と②を確認した上で、KGIが達成できていない場合は、設定したKPIに対してどれだけ届いていないかを元に、次の戦略や施策を考えていきましょう。 KGIとKPIは混同されやすいですが、しっかり理解して適切に設定をしてください。 次回はKPIを追うために「目標」の設定をしたGoogleアナリティクスの効率的な見方についてご説明します。

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