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O2OサービスでWebマーケ担当と営業担当のコミュニケーション不足が招く悲劇と解決策

こんにちは。nex8事業部の吉山です。 以前にもマーケティング担当の仕事内容に関してお話しましたが、今回はO2OサービスのWebマーケティング担当者の方に向けて、営業担当とのコミュニケーションの必要性とそのポイントをお話していきます。 この2つの部署は距離が近いので、うまく手を組んでいかないと亀裂が入りやすく、最終目標まで辿りつけなくなってしまうことが出てきてしまいます。 よくある失敗例をもとに、具体的な解決案について考えていきましょう。 一部署で完結しないO2Oマーケティング 今回のお話は、Web上で取引が完結しないO2Oサービスを前提にご説明していきます。 具体的には車の購入のようにユーザーがWeb上で来店予約をして、実際に来店した時に金銭が発生するといったサービスを扱うWebマーケティング担当の方を対象としています。 前回の私の記事では、Webマーケティング担当はWebという手段を使って売上を増やす、会員数を増やすなど、「目標」に掲げる地点までの流れを作るのが仕事だとお伝えしました。 目標を具体的に数値化したものがKGI(Key Goal Indicator)で、そのKGIを達成するために実際どんなことをすればよいか、分解して考えた時に達成すべき数値目標をKPIといいます。 こちらについては前回の記事を参照してみてください。 O2Oサービスでは、ユーザーがWebで申し込みや問い合わせをした後、実店舗へ流れていきコンバージョンすることが求められます。 つまり会社として最終目的、例えば売上を上げる、という目的に対して、2つの部署がかかわっている、という状況です。 先ほどの車の例でいうならば、Webマーケティングの部署では、Webサイトから来店予約をしてもらうのが目標(KGI)となるので、KPIは流入数や来店予約率になります。 それに対し、実店舗の営業担当は、最終的にどれだけ売り上げたかがKGIとなることが多いので、KPIは来店後の引き上げ率や売上となるわけです。 こういった場合によくあるのが、Webマーケティング担当者と営業担当の間でしっかりとした意思疎通ができておらず2つの部署の仲が悪くなり、会社全体としての目標達成が叶わなくなってしまうことです。 では具体的な例を次の章で見ていきましょう。 上手く行かなかったのはWebマーケvs営業どっちのせい? あるエステ店でのことです。 この企業では秋冬が閑散期となるので、売上の底上げをするべく新規顧客獲得の集客施策を行うことになりました。 そこで会社全体で「毎月30人、新規会員登録をしてもらう」という目標を掲げました。 具体的には期間限定の「初回無料エステ体験」のキャンペーンを実施し、それをフックに来店と新規会員登録を促そうと考えたのです。 この時ユーザーの動線はざっくりと、【Webサイト流入→Webでお試し体験を予約→実際に来店→会員登録】という流れになります。 Webマーケティング担当が広告施策の実施やキャンペーンページの設計・運用を行うことで新規ユーザーを呼び込み、Web予約まで誘導し、その後は営業担当へバトンタッチして、実店舗に来店したユーザーへ対面営業して会員になってもらう、という流れですね。 この施策を1か月やってみた結果、新規会員登録数は「10人」と大幅な未達でした。 さて、ここからが本題です。 未達であった場合、当たり前ですがなぜ未達となってしまったのか、原因をしっかりと探さないと今後もずっと達成できないかもしれません。 この原因究明もWebマーケティング担当の大切な仕事になるのです。 プロモーションを段階ごとに見て原因究明をしてみよう 今回の例ではユーザーの動線から未達となった原因が大きく3つ考えられます。 ① Web予約数× ② Web予約数○→来店数× ③ Web予約数○→来店数○→会員登録数× そもそも今回、Webマーケティング担当はWeb予約の目標数(Webマーケティング担当のKGI)を決める際、前回行ったキャンペーンの結果から目標を逆算して割り出していました。 試算では、最終的に30人の新規会員登録者を獲得する(会社としてのKGI)には、60人来店が必要(来店者の半分が会員になる想定)で、そのためにはまず120人Web予約が必要(Web予約数の半分が来店する想定)でした。 では、この計算を元に、先ほどの未達理由3つについて考えていきましょう。 ① Web予約数が×の場合 これはWebからの予約数が目標の120人に達していなかった場合で、Webマーケティング担当のKGIが未達ということになります。 広告宣伝を強めることでの流入数の増加、またはサイト上での予約をより促しやすくする必要があるでしょう。 ② Web予約数○→来店数が×の場合 120人のWeb予約はあったのに、実際に来店した人数が60人以下、40人程度だったというような場合です。 これでは仮にこの後の会員登録率は想定どおり50%だったとしても未達となってしまいますね。 これはその都度、Webマーケティング担当と営業担当が来店人数の確認を取り合い想定よりも今回の来店率が悪いことを早期に共有できていれば、その時点で予約数を増やす為の施策を実行できたはずです。 部署間での情報共有をしっかりしていれば解決することが出来そうですね。 ③ Web予約数○→来店数○→会員登録数が×の場合 Webからの予約数も十分で来店も想定通り50%は来ている、それなのに会員登録につながらなかった、という場合です。 これは営業のKGIが未達(営業のせいだ)と考えるWebマーケティング担当さんは多いのではないでしょうか。 一見営業担当の力不足で目標達成できなかったようにも見えますが、目標の畑が全く違うから相手の責任だと考えていては、本来改善できるものも改善できなくなってしまいます。 なぜ必要数が来店しているのに、会員登録まで至っていないのか。 もちろん営業力不足という可能性もありますが、この時も営業担当と密なコミュニケーションを取ることで別の要因が見えてくる場合があります。 営業担当とのコミュニケーションはこう活かそう もしこのままお互いが情報の共有をしないと下のイラストのようになってしまい、一向に関係性は良くなりませんし、目標達成も難しいでしょう。 ですが営業は現場のプロであり、どういったユーザーが会員登録してくれやすいかしっかり分かっています。 ここで今回のキャンペーンで来店したユーザーについて実際の現場にいる営業担当に聞いてみると、解決の糸口が見えてきました。 営業によると、会員になりやすいのは「30代~40代の働いている女性」だということでした。 このユーザーであれば半数の50%は会員になってくれているという実績もあり、前回のキャンペーンではここがきちんと押さえられていました。 Webマーケティング担当は数字だけで判断し、今回の試算をしてしまっていたのです。 さらに営業担当からしっかり話を聞いてみると、実は今回来店したユーザーは「無料体験」というキャンペーンにつられた若い女性ばかりだったというのです。 前回成功したキャンペーンよりさらに獲得数を伸ばす目的で企画した、最初のWeb予約数を増やすためのフックである無料体験がコンバージョン率を下げていたのです。 必要数と考えていた60人の来店のうち、ターゲットとしている30代以降のユーザーは20人でした。 その為、会員登録に結びついたユーザーは10人という結果になってしまったのです。 つまり今回は、「対象としたいユーザーを集められていなかったこと」が目標未達成の原因だったのです。 ここで重要になるのが、それぞれの目標だけを達成することにこだわるのではなく、最終目標である「新規会員30人」を達成するために、どういったユーザーを連れてくることが出来ればいいか、そのために何をすればよいかを、Webマーケティング担当と営業担当でしっかりとペルソナやカスタマージャーニーを作り共有しておくことです。 そうすることで、Webマーケティング担当は「せっかく目標人数連れてきたのに営業のせいで達成しなかったじゃないか」とか営業担当も「全然優良な顧客を連れてこないWebマーケティング担当はだめだな」といった内部でのもめごとが軽減でき、課題がどこにあったかを見つけやすくなります。 Webマーケティング担当と営業担当、それぞれお互いの土俵で一番詳しいのはその土俵にいる人なんですから、目標達成に向けてちゃんと情報を共有していけるといいですね。 まとめ いかがでしたでしょうか。 このようにWebマーケティング担当、営業担当とお互いに常々ちゃんと必要な情報や意見の共有をしていないと、本当の原因を見つけられず、永遠に目標達成出来ない、なんてことも起こり得ます。 今一度、目標達成できていない原因がどこにあるのか、目の前の数字と共に、営業担当とのコミュニケーションを通して確認してみてください。

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拝啓 Webマーケティングビギナー様 ~初めてWebマーケティング担当になったら~

こんにちは。nex8事業部吉山です。 今回はWebマーケティング担当になったばかりの人、Webマーケティングを勉強してみたい人、そんなWebマーケティング初心者の為に記事を書きましたので、ぜひご覧ください。 そもそもマーケティングとは 早速ですが、よく聞くこの【マーケティング】ってお仕事、しっかりと内容を理解している人は少ないように感じます。 いろいろな定義や説明の仕方がありますが、簡単に言うと、マーケティングとは「目標に掲げる地点までの流れを作ること」です。 この「目標」となるのは、 売上を増やす、購入数を増やす、資料請求を増やす、訪問者を増やす、認知度を増やす・・・などなど、その時のタイミングや施策などで違ってきます。 ではマーケティングとWebマーケティングって何が違うと思いますか? 実はこれ、根本的には一緒なんです。 というのも、先ほど出た 「目標に掲げる地点までの流れを作ること」を行う手段がWeb上なのか、そうでないのか。 そのグラウンドの違いだけなんですよね。 この2つの担当部署が分かれていたり、マーケティング担当とひとくくりになって両方を一人で管理していたり、 企業によって様々だと思います。 今回はWeb上で行う、Webマーケティングについてお話していこうと思います。 Webマーケティングはまず俯瞰(ふかん)して見ることが大事 Webマーケティングって、SEOとか、ネット広告とかやって集客するんでしょって思ってる人、結構多いんじゃないでしょうか。 もちろんネット広告の配信はユーザーの集客、行動を促進するのにとても重要です。 でもWebマーケティング担当になったら、もっと広い目で自分の会社のWebの立ち位置を見直し、会社の目的を達成するのに最適な方法を模索して動いていかなければいけません。 あなたの会社の中で、Webの立ち位置、重要度、役割はどういったものでしょうか? 会社の目的達成の為にWeb上であなたが行える施策はどんなものがあるでしょうか? まずそこを俯瞰してみることで、Webマーケティング担当者としての最終的な目標が決まってくるわけです。 専門用語では、その最終的な目標のことをKGI、それを達成するための数値目標をKPIといいます。 KPI(Key Performance Indicator)とは重要評価指標と言いますが、本当に目指すべきゴール(KGI:Key Goal Indicatorの略で重要目標達成指標のこと。)までに、どんな作業、分析、工程が必要なのか、それら一つ一つの段階における指標を明確に設定することです。 この指標をつくることが、最初に話した 「目標に掲げる地点までの流れを作ること」の基盤となるのです。 ■KPIとKGIについてもっと詳しく知りたい人はこちら ・EC担当者なら知っておきたい、サイトの目標達成に必要な「KGI」と「KPI」 ここまでWebマーケティングの概要についてお話しました。 次の章では、あなたがアパレル会社のWebマーケティング担当になったという想定で、実際にWeb上で行う具体的な施策を交えて分かりやすくWebマーケティングの仕事を見ていきましょう。 アパレル会社のWebマーケティング担当になった場合 アパレル会社に勤めるあなたは、今日からWebマーケティングの担当になりました。 既にあなたの会社にはホームページとオンラインストアが存在しています。 売上規模としては実店舗での売上が大半を占めている状況ですが、最近は伸び悩みが続いています。 そこであなたに課せられた課題は「オンラインストアからの売上を2か月で1.5倍にすることで全体売上の底上げを図る」というものです。 いきなり売上1.5倍って言われても、何をしていいか分からないですよね。 ここで先ほどのKPIの設定が必要になります。 売上を考える時、一般的には以下のように分解して考えます。 売上=サイト流入数×CVR×購入単価 「売上」がKGI、「サイト流入数」「CVR(購入率)」「購入単価」がKPIですね。 KPIを増加させることが出来れば、結果的にKGIを達成することが出来る、ということです。 そこで今のオンラインストアの現状の数字を把握して、どのように売上が構成されているか確認をします。 ・現状の売上 ・サイトへの今の流入数 ・CVR ・離脱率の多いページ分析 ・1人当たりの購入単価 KGI、KPIとして設定すべき、このあたりの数字をまず把握していくわけですが、その為に有効なのはGoogleアナリティクスなどの解析ツールです。 もし導入していないようであれば即刻入れましょう。 ■Googleアナリティクスの使い方についてもっと詳しく知りたい人はこちら ・【2017年版】EC担当者がGoogleアナリティクスでサイト改善するための基本用語と使い方 ・Googleアナリティクスの便利な機能使ってますか?「セカンダリ・ディメンション」と「加重並べ替え」で効率的に目標を達成する方法 調べたところ、現在オンラインストアの月間売上が1,000万円、サイトの流入数が10万人、CVRが2%、購入単価が5,000円でした。 ここで「とにかく流入数を増やさなきゃ!その為には広告だな!」って短絡的に考えてはだめですよ。 広告で集客やサイト告知をするのは、そのオンラインサイト自体の基盤が出来上がってからです。 例えば2か月猶予があるので、1か月をサイト改修にあててCVRの増加を狙い、残りの1か月に広告施策をあてる、とすると2パターン考えることが出来ます。 売上のところを見てもらいたいのですが、先にCVRを上げる(つまりサイト改修をする)パターン②の方が2か月経った時の合計の売上金額が高いですよね。 つまり効率的に売上を伸ばすことが出来ているわけです。 これを踏まえ、まずはオンラインストア上の問題を解決していきます。 その為に、上記で紹介したGoogleアナリティクスで離脱率の高いページを探してみましょう。 調べた結果、あなたの会社のオンラインストアは、カートページでの離脱率が80%となっていました。 アパレル業界のカートページ離脱率は平均で70%前後くらいなのでちょっと高めです。 よってここを改善することで、CVRを上げることが出来そうです。 そもそもカートに商品を入れたのに、購入しない人がこれほどいるというのはどういうことでしょうか。 もしかしてスマホで見た時、カートページが使いにくいのではないですか? 個人情報入力で必要以上に多くの項目が入っていて、ユーザーに抵抗感や面倒さを感じさせていませんか? などなど、ユーザーがサイトから離れる原因を探してみましょう。 今回はカートページで離脱率が高かった場合を紹介しましたが、トップページだったら、単純にデザイン、サイト構成に問題があるかもしれません。 詳細ページだったら、商品情報が読みにくかったり、ユーザーの求める情報の記載がないかもしれません。 また個別のページではなくサイトのデザイン全体に問題がある可能性もあります。 対象ユーザー層が好むサイトカラー、フォントになっていますか? 毎日見ているとこの感覚もよく分からなくなってきますよね。 そんな時は第三者目線が重要です。 他の社員の方に意見を聞いたり、実際にサイトを使うユーザーにアンケートを取ってみるのもいいでしょう。 この時も、ただ単にアンケート答えて、とお願いしてもなかなか意見は集まりません。 アンケートに答えてくれた人用にノベルティを用意したり、クーポン券を発行したり、ここもユーザー目線を忘れないようにしてくださいね。 このように、今まで疎かにしていた部分に目を向けてみると、必要な作業、改善すべき数字が見えてきます。 原因の目星をつけてオンラインストアを良くしていきましょう。 当たり前ですが無駄な情報は省き、必要な情報はしっかりと提供して、あなたのサイトへの信頼を与えるようにしてくださいね。 試行錯誤をしてサイトを改修した結果、あなたは1か月間でCVRを前月比125%にすることに成功し、オンラインストアの売上は1.25倍になりました。 あと少しで目標の売上1.5倍です。 サイトの運営基盤をしっかりさせたので、ここで広告施策を実施していきます。 売上達成のため、集客におけるKPIを考えていきましょう。 現在サイト流入数は100,000人、CVRは2.5%、購入単価は5,000円です。 1500万になっている必要があるので、CVRと購入単価が前月と変わらないとして、流入数を増やす事で売上を上げるためには、サイト流入数は120,000人必要という事になります。 つまり広告施策等を実施することで、1か月間に120,000人のユーザーを流入させることが、次の目標KPIとなりました。 新規ユーザー獲得に向いているとされる広告施策や手法はいくつかありますが今回は詳細な紹介は省きます。 新規獲得の広告施策について、詳しい説明はこちらの記事を読んでみてください。 ■新規ユーザー獲得や広告施策についてもっと詳しく知りたい人はこちら ・EC担当者が知っておきたいWebマーケティングの基礎知識 ・ECサイトのWebマーケティング施策を購買ファネルから考える ・集客段階別!ネット広告の効率的な活用方法 今回の記事では分かりやすくするために1か月目でサイト構築、2か月目で集客としましたが、1か月でサイト構築が終わらないこともありますし、もちろんこの2つの施策を並行して実施しても良いと思います。 そして覚えておいて欲しいのが、やった施策が必ず上手くいく、というわけではないということです。 実施したら見直しをかけ、どこが良かったか悪かったかを検証し、次の施策に活かしてくださいね。 また更なるステップアップとして広告施策以外で、出来ることも考えてみましょう。 あなたの会社は実店舗が現状の売り上げのメインでしたよね。 それぞれの店舗にオンラインストアの告知チラシを置くのはどうでしょう。 この時も「初回オンラインストアでのお買いもの〇〇%off」とか「ノベルティプレセント」などはやはり効果を発揮しそうですね。 このように既存のサービス、施策以外でもアイデアをどんどん出していけたら、Webマーケティング担当として素晴らしいですね。 まとめ Webマーケティング担当って、ただ広告を配信しているだけじゃないこと、分かっていただけましたでしょうか? 細かなKPIを設定して最終目的地まで着実にたどり着けるよう数字を考えていくことが、Webマーケティング担当として重要です。 ただしそれだけでなく、そこからさらに想像力を膨らませて、新しい施策を取り入れていけたら、Webマーケターとして価値のあることですよね。 ぜひ、数字とアイデア、どちらも柔軟に考えられるWebマーケティング担当を目指してください!

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EC担当者なら知っておきたい、サイトの目標達成に必要な「KGI」と「KPI」

こんにちは。nex8事業部の砂森です。 前回までの記事で、Googleアナリティクスに出てくる用語や簡単な見方、「目標」の重要性とその設定方法についてご紹介してきました。 Googleアナリティクス上で「目標」を設定すると、サイト改善の軸を作れるので効果的にページの改善を行っていくことが出来ます。 前回はECサイトで幅広く使える例として、購入完了ページを「目標」に設定し、いわゆる「かご落ち」がどこで起きたかを追っていくための設定方法などを紹介しましたが、他にも様々な「目標」の設定が可能です。 では実際設定するにあたり、何を「目標」としたらよいでしょうか。 改善するにも、何を軸にして良いか分からない、という方も多くいらっしゃると思います。 そこで今回は、サイトを運営している目的を達成させる、と言う観点から「KGI」、「KPI」という考え方を使って、Googleアナリティクスの「目標」を何にすればよいかについてご説明していきます。 KGIとは 「KGI」、「KPI」と冒頭で言葉だけ急に使ってしまっていたので、この用語の解説をしたいと思います。 まずは「KGI」からです。 あなたのサイトはどういった目的があって作っていますか? これ前回の記事でも質問させていただきました。 サイトの業種によって色々ありますよね。 ECサイトは「売上」を上げること、メディアサイトは「広告収入」を得ること、キャンペーンサイトは「商品の認知」をしてもらうこと、といったようなものになるのではないでしょうか。 KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とは、あなたのサイトで達成したい目的を、具体的に数字として定量的に表した指標のことを言います。 これが「目標」として設定すべき最初の項目となります。 ここでのポイントは、ECサイトだからと言ってKGIは「売上を伸ばすこと!」のようにするのではなく、漠然としたサイトの目的を具体的に数字に落とし込む、ということです。 サイトの目的が売上を上げることであれば、KGIを例えば「6か月後に今の売上を2倍にする」、「3か月後の売上を前年比150%増にする」、というように、「何を」、「いつまでに」、「どれだけ達成する」、と決めることで計画的に動いてサイト運営をしていくことが可能になります。 また、とにかくみんなに買って欲しいから、サイトを立ち上げた翌月に売上1000億をKGIにする!というのは、もしかしたら可能かもしれませんが、数字を追って改善して計画的に達成させるには少し非現実的になってしまいますよね。 KGIは施策も含め実現可能な範囲かつ意味のある数字で設定をしましょう。 KPIとは 続いてKPIです。 KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)はKGIを達成するために、具体的に何をすればよいのかを表す指標のことを言います。 KGIに続き、2つ目の「目標」として設定すべき項目です。 ではECサイトを例にKPIの決め方を詳しく見ていきましょう。 KPIの決め方 ECサイトを考えるのでKGIは売上とします。 ここで売上は下記のように分解して考えることが出来ます。 ・売上=流入数×CVR×購入単価 CVR(Conversion Rate):サイトに訪れたユーザーのうち、成約(購入など)にいたったユーザーの割合。 最初の「流入数×CVR(=購入数)」はどれだけ商品が買われたかを表しています。 サイトに訪れるユーザーの数(=流入数)と、そのうち購入にいたる割合(=CVR)はどちらも増えると購入数が増加するので、売上増加に貢献することが分かります。 次の購入単価も高ければそれだけ売上は増加しますよね。 上記のように売上目標(=KGI)を達成するためには、流入数、CVR、購入単価といった売上を構成する要因を増加させる必要があります。 売上については別の分解の仕方もあって、例えば ・売上=新規ユーザーの購入金額+リピートユーザーの購入金額 と、表すことも出来ます。 この場合、新規ユーザーをとにかく流入させる、リピート率の改善やリピートユーザーの購入単価を上昇させるなど、「新規」と「リピーター」という先ほどとは違った見方でKGI達成を狙うことになります。 KPIは、上記2つのように「流入数」と「CVR」と「購入単価」、「新規ユーザー売上」と「リピートユーザー売上」など、KGI(今回は売上)を分解した要因を設定することが多いです。 KPIを設定する目的と注意点 こういったKPIを設定することの目的は、実際に施策として何をすればよいかを明確にすること、その目標値に対してサイト運営に携わるメンバーの目的意識を同じ方向に向けさせることにあります。 売上目標に対して、例えば「流入数」を増やす施策を取るのであれば、いつまでにどれだけ増やせばよいか、そのために運営メンバーは何をすればいいかを決めることで、サイト運用の効率化、メンバーの意識向上を狙えるのです。 サイトの達成したい目的から、しっかり数字に落とし込むことが出来て、具体的に何をすればいいかが分かるものをKPIとして選ぶとよいでしょう。 その条件が満たされるのであれば、KPIに設定する項目は何を指標としても構いません。 ただし、注意点があります。 設定項目が何でもいいからと言って、サイトの目的と関係ない指標をたててはいけないということです。 KPIは全て達成されると、KGIが必ず達成されるようにしなければなりません。 KGIを売上目標をとした時、ページの閲覧時間をKPIにしてしまっては、もしKPIは達成できても、おそらくKGIは未達成となるでしょう。 ページの閲覧時間を伸ばすために施策を打って、運営メンバーの時間を使ったのに、結局KGIが達成されないのであれば本末転倒ですね。 あくまで、サイトの目的を達成させるためのKPIですから、そこは慎重に決めていかなくてはならないのです。 それではECの場合を例にもう少し具体的に見ていきましょう。 ECサイトでの「目標」設定具体例 アパレルECのA社を考えてみましょう。 A社では前年度8月の売上が1000万でした。 今年の8月はKGIを「売上前年比150%」と設定したので、1500万を目指します。 前年度の売上を流入数、CVR、購入単価という3つのKPIに分解してみると 1,000万(売上)=250,000人(流入数)×1.00%(CVR)×4,000円(購入単価)だったそうです。 では、売上を1,500万にするにはどうしたらよいでしょうか? 色々なパターンがありますが、一例としてCVRと購入単価は前年と変わらずでも、流入数だけを前年比150%にさせれば、KGIは達成となりますよね。 では流入数を改善するにはどうすればいいでしょうか。 KGIをKPIに分解したのと同様に、「流入数」をさらに分解して考えてみましょう。 例えば、流入元別で考えてみると、広告経由、検索経由、参照サイト経由などに分解することが出来ます。 そうすると、広告費を単純に前年比150%にすればいいのか、増やすならどの広告手法を選べばよいのか、それともSEOを強化するべきなのか・・・といったように具体的にやるべきことがだんだん見えてきます。 もちろん考え方・やり方はたくさんあって、売上を構成する3つの要因をそれぞれ前年比115%にさせても、 流入数(250,000人×1.15)×CVR(1.00%×1.15)×購入単価(4,000円×1.15)=1,520万8,750円 となり、売上は前年比およそ152%となるのでKGIは達成させることが出来ます。 この時も、流入数の構成要素を分解することに加えて、CVR向上のために、かご落ちの割合をどれだけ防げばよいか、購入単価を上げるために、プラスでもう1つ商品を買ってもらうにはどうしたらいいか、などそれぞれのKPIを具体的な施策が考えやすくなる構成要素まで分解すると、設定すべき、または必要に応じて設定した方が良い「目標」に辿り着きます。 「1.KGIとは」で、サイトの目的を具体的な数値で表したKGIを、「2.KPIとは」で、KGIを分解した重要指標のKPIという2つの「目標」を見てきましたが、このように分解の考え方を使うことで、施策レベルのより具体的な「目標」を設定することが可能となります。 実際には時期的な要因や、その他の外部要因も多く関わるので、都度KPIは柔軟に変える必要があります。 その時、最も実現可能性の高い、適切なKPIを設定することが非常に重要です。 また今回はECサイトを例にしましたが、サイトの目的が変わればもちろん設定するKGI、KPIも変わってきます。 例えばメディアサイトであれば、KGIは広告収入の増加でKPIはPV数やページの平均滞在時間、新商品のキャンペーンサイトであれば、KGIは認知度の向上でKPIはセッション数や特定ページへの遷移率等になるので、そこは注意が必要です。 まとめ いかがだったでしょうか。 サイトの目的を達成するためには、適切にKPIを設定して施策を打ち、KGIを達成することが重要となります。 これらの進捗を追ったり、分析をしたりして改善策を練るのに役立つのがGoogleアナリティクスです。 Googleアナリティクスの「目標」設定は、KGIとKPIはもちろんのこと、必要に応じてKPIに関連のある数字や要因も含めて設定をしておくと、効率的にサイトの運用改善をしていくことが可能となるのでオススメです。 ただこういった分析を行っていくと、KPIが大幅に未達成だったり、進捗が思わしくない、ということが起こりえます。そんな時は、 ①KPIの設定が無謀な数字になっていなかったかを見直してみる。 ②無謀ではないKPIで、それは達成しているのに、KGIが未達成に終わった時には、そもそもKGIの達成に対して適切なKPIが設定出来ていたのかを疑ってみる。 ①と②を確認した上で、KGIが達成できていない場合は、設定したKPIに対してどれだけ届いていないかを元に、次の戦略や施策を考えていきましょう。 KGIとKPIは混同されやすいですが、しっかり理解して適切に設定をしてください。 次回はKPIを追うために「目標」の設定をしたGoogleアナリティクスの効率的な見方についてご説明します。

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