最適化ってなに!?ネット広告における「Optimization」を調べてみた!
こんにちは。nex8事業部の野口です。 みなさん「Optimization」という言葉を聞いたことはありますでしょうか? Webマーケティング担当の方なら聞いたことがあるかもしれませんが、直訳で「最適化」という意味です。 しかし色々なところで使われすぎて、「結局、最適化って何?」となってしまっている方に向けて、今回はあらためて「最適化」とは何を指すことなのか、ご説明していきたいと思います。 最適化って? まずは、「最適化ってなに?」というところからご説明していきます。 Google検索で「最適」と調べてみると、「いちばん適していること」と出てきます。 これに「化」という文字がついているので「いちばん適している状態になる、変化する」という意味になりますね。 そのままになってしまいますが、要するに「あなたの求めているものを達成するために、あなたの思った形になりますよ」、ということです。 イメージとしては、元々あったものが「サービス」という箱を通って「最適化」が行われ、あなたの思った結果が出てくる、というものです。 では、ネット広告の場合に「最適化」はどのように行われていくのでしょうか? 次の章で見ていきましょう。 どうやって最適化が行われていくのか 今回はネット広告において最もポピュラーである、「CPAを下げる」ことができた場合を「最適化」と呼ぶことにし、その内容でお話を進めていきます。 ※CPA(Cost Per Action/Cost Per Acquisition):コンバージョン(CV)1件あたりにかかった広告費用を示す値 ※CV(コンバージョン):Webサイトにおける目標の達成 まず、「CPAを下げるとはどういうことなのか」から、おさらいしておきましょう。 CPAは以下の式で表せます。 CPA=Cost(広告費)÷CV(コンバージョン数) Costは広告費のことなので「広告掲載にかかった費用」ということですね。 費用をCV件数で割ると、1件あたりにかかった広告費用が算出できます。 今回の目的である「CPAを下げる(=最適化する)」を達成するためには、「Costを下げつつ、CVを増やすこと」が必要になります。 ここからは、「CVを増やす」ことに着目して考えていきましょう。 CVを増やすためにはCTR、CVRを上げるという方法があります。 CTR(Click Through Rate):広告が表示された数のうちクリックされた回数の割合 CVR(Conversion Rate):クリックされた回数のうちCVに至った回数の割合 CTRとCVRはそれぞれ以下の式で表せます。 CTR=クリック数÷表示回数 CVR=CV数÷クリック数 ここまでの指標をまとめてみましょう。 「表示回数にCTRをかけることでクリック数」が、「クリック数にCVRをかけることでCV数」が算出できます。 つまり目的である「CVを増やす」ためには、「CTR」と「CVR」を向上させる必要があります。 これら2つの数値を上げるには様々な方法がありますが、全ては説明し切れないので、代表的な方法をご紹介したいと思います。 訪問回数設定 まずは、「CVR」を上げるための「訪問回数設定」です。 あらかじめ設定しておいたサイトへの訪問回数を上回ったユーザーのみに配信する「訪問回数設定」には、「CVR」を上げる効果があります。 サイトに「1回訪れたユーザー」より、「10回以上訪れたユーザー」の方が、興味度合いや購入意欲が高そうですよね。 例えば1回以上訪れたユーザーに広告配信をしていて効果が悪いのであれば、10回以上訪問したユーザーにのみ配信をする設定を行うことで、より興味関心の強いユーザーに限定して配信することができ、CVRの向上が見込めます。 ただし配信対象となるユーザーが減少するので、配信量には注意が必要です。 続いて「CTR」を上げる「フリークエンシー設定」についてご説明します。 フリークエンシー設定 「フリークエンシー」とは、ユーザーが広告を見る頻度のことで、「フリークエンシー設定」は、ユーザーが広告を見る回数に制限をかけることを指します。 同一のユーザーに対して、何度も同じ広告を表示し続けてしまうと、ユーザー側がストレスに感じてしまう場合がありますよね。 また、見込みのないユーザーへの配信を続けることにより、インプレッション数が増加してしまい、結果的にCTRが下がってしまう原因にもなります。 表示回数に制限を設けることで、ユーザーにストレスを与えることなく、また余分なインプレッションを発生させることも防げるのでCTRの向上が見込めます。 以上をふまえ具体的に考えてみましょう。 ある広告主様では、目標CPA2000円としてリターゲティング広告を実施したところ、大幅に上振れて、CPAが4000円となってしまいました。 ネット広告の場合、サービスを実施するだけで、思った通りの状態(最適化)になるわけではないので、ここから運用や設定を変更することで、目標CPA(最適化のかかった状態)にしていきます。 まずはフリークエンシーの設定を200回から100回に変更したところ、CTRが0.5%→0.6%へ向上しました。 そこでもう少し減らし、100回から50回にしたところ、CTRは0.7%まで向上したのです。 かなり改善されたのですが、これではまだ「最適化」されているとは言えません。 続いて訪問回数にも、5回以上サイトに訪問したユーザーのみに配信するという制限を設けて配信をすると、CVRが0.5%→0.8%に向上しました。 CTRとCVRが向上し目標のCPAが達成できたので、これは「最適化」が行われた状態であると考えることが出来ますね。 まとめると以下の表のようになります。 このように効果を見ながら適切に運用することで、目標CPAの達成(最適化)をすることもできますが、最近では今までの実績データをもとに「適切な訪問回数」や「適切な表示回数」の設定が自動機械学習を用いて行われることも多いです。 扱う商材や、時期などによってもそれぞれ数値が異なるので、自動機械学習による最適化はコスト削減のためにも、リソース削減のためにも、必要不可欠となりそうですね。 入札単価の最適化 ネット広告における最適化には別のアプローチもあります。 2章では「CTR」と「CVR」を改善し最適化をする例をご説明しましたが、ここでは「入札単価」を改善することで最適化をする例をご紹介します。 入札とは、ある広告枠に対していくらでその枠を購入するかを宣言することで、最も高い値をつけた広告主がその広告枠を買って、広告配信をすることが出来ます。 詳細についてはこちらの記事も参考にしてみてください。 参考記事:リスティング広告やRTB取引における入札とはなにか!?ネット広告の入札を調べてみた! では「入札単価」による最適化とはどのようなことなのでしょうか? 簡単にご説明すると、「適切な価格で広告枠を買うことで、CPAを目標の値に近づけていく」ということです。 高く買いすぎてしまうと、費用対効果が合わなくなってしまいますし、低く買いすぎると枠を買うことが出来ず広告配信することが出来ません。 「配信されて、かつ高すぎない値で買うこと」が重要ということですね。 この時、枠ごとの「CTR」、「CVR」は決まった値だと仮定して、入札の値を考えていくと良いでしょう。 目標とするCPAを設定し、その値に合うように、「1表示(または1クリック)あたりにかかる入札単価」を適正にしていきます。 そうすることで、無駄に多く払い過ぎることもなく、少なすぎて配信されないということもなくなります。 こちらも、最近では主に自動機械学習を用いて入札単位の最適化が行われています。 アドネットワークやDSPなどのサービスでは、こういったCTR、CVR向上のための設定や入札単価の設定における自動化が新たな価値を生み出すポイントとなるかもしれませんね。 おわりに いかがでしたでしょうか? 「最適化」という言葉は聞いたことがあったかもしれませんが、今まで具体的なイメージが難しかった方へ、内容が伝われば幸いです。 「最適化」にも各サービスで違う意味がありますので、それぞれの意味を理解した上で、あなたのサービスにとっての「最適化」を見つけられると素敵ですね。
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