セグメント侍

リターゲティングで新規ユーザーが獲得できる!?適切な配信セグメントの設定方法


今回はリターゲティング広告を活用した新規ユーザーの獲得方法について説明します。
リターゲティング広告はサイト訪問歴のある購入確度の高いユーザーに配信が出来るので、新規ユーザーのみと限定した配信はせず、既に購入履歴のあるユーザーに対して配信をしてリピーターを狙うことも多くあります。

そのためリターゲティングは新規ユーザーの獲得には向いていない、という印象を持っているEC担当者もかなりいらっしゃると思いますが、実はうまく活用すれば新規ユーザーのCV(コンバージョン)を効率よく増やすことが可能なのです。
(ここでいう新規ユーザーとはあなたのサイトでまだ購入履歴等のCVが無いユーザーのことを指します。)

具体的には大きく2つのステップに分けて、配信を行います。

① ユーザー心理から配信セグメントを選定する
② 配信対象のユーザー毎に配信設定を行う

今回は最初のステップである①のユーザー心理から配信セグメントを選定する方法を紹介していきます。

1度CVしたユーザーを除外する設定を行う

絶対にやっておかなければならないことは、CV履歴のあるユーザーを配信対象から除外することです。

CVしたことのあるユーザーが配信対象に含まれていた場合、どれだけ購入意欲の高いユーザーに対して配信したとしても、新規ユーザーのCVR(コンバージョン率)は良くなりません。

CVユーザーを除外する方法はいくつかありますが、最も一般的なのはCVタグから付与されたクッキーを持つユーザーを除外する方法です。

まずはこの設定を行った上で、購入意欲の高いユーザーの取りこぼしを防ぐためにリターゲティングを活用して訴求を行っていきます。

「階層」×「リーセンシー」の2軸でユーザー心理を考える

次に、まだCVしていないユーザーを更に細かいグループに分けていきます。

分けたグループ1つ1つのことをユーザーのセグメントといい、分ける作業のことをセグメンテーション、セグメントを切るなどと呼びます。

この記事では、階層(どのページで離脱したか)とリーセンシー(ユーザーがサイトを離脱してからの経過日数)という大きく2つの軸をもとにセグメントを作っていきます。

この2軸でセグメントを作る理由は、ユーザーの心理状態を考えやすく、業種やサイト規模を問わず安定して効果を出すことが出来ているからです。

その他、サイトへの訪問回数や商品の閲覧数、訪問している日時や曜日といった切り口でセグメントを作ることも出来ますが、これらは階層とリーセンシーでユーザーを分けたあと、更に効果を高めるための施策として活用すると良いでしょう。

それでは、ユーザー心理に基づいて階層とリーセンシーの組み合わせを配信効果の出やすい順に紹介していきます。

カートページ離脱ユーザー

通常、カートページ離脱ユーザーと商品詳細ページ離脱ユーザーでは、カートページ離脱ユーザーの方が購入意欲は強い傾向にあります。
商品詳細ページ離脱ユーザーと商品検索結果ページ離脱ユーザーでは、詳細を見ている方が購入に近いですよね。
よって階層ごとでの購入意欲の強さを表すと、以下のように考えられます。

カートページ離脱ユーザー>商品詳細離脱ユーザー>商品検索結果ページ離脱ユーザー

より見込み度の高いユーザーから確実に狙うのが定石なのでターゲットとするべき階層として、まずはカートページ離脱ユーザーから考えていきましょう。

■カートページ離脱×リーセンシー1週間以内

表1

カートページで離脱して1週間以内のユーザーは、欲しい商品がすでに決まっていて、特に購入意欲が高い傾向にあります。
仕事や家事などに追われてまだ購入までには至っていない人やカートに商品を入れたものの購入し忘れたまま放置しているうっかり屋さんなどが多いので、リターゲティングで最終的な購入まで促していくことが重要です。

■カートページ離脱×リーセンシー1ヶ月未満
最もCVRの高いリーセンシーの短いユーザーだけでは母数が少なく、すぐ購入数が頭打ちとなってしまうことが予想されます。
その場合はリーセンシーを伸ばし、対象となるユーザーを広げ購入数を増やしていく必要があります。

リーセンシーを伸ばす目安として離脱してから1か月未満のユーザーを考えてみましょう。
このユーザーは購入意欲は高いものの、今一つピンと来る商品が見つかっていないケースが多いです。
例えばファッションのECサイトだとしたら、価格面で迷っていたり、ボタンや素材などどこかがネックになってまだ商品を買っていない人などですね。

こういった人たちに商品を購入してもらうためには、ユーザーがカートに入れた商品と似た商品や、見ている商品とよく一緒に買われる商品を、ダイナミックリターゲティングのレコメンド機能を活用して訴求することが有効です。
ダイナミックリターゲティングという広告手法に聞き覚えのない方はこちらの記事をご参照下さい。
「よくぞ出してくれた!」と思わず言ってしまう広告とは!?ダイナミックリターゲティング完全解説決定版!

■カートページ離脱×リーセンシー1か月以上
離脱1か月未満のユーザーでCV数が取れて、CPAも安定してきたら、さらにリーセンシーを伸ばす動きを取りましょう。
カートページ離脱後1ヶ月以上経過したユーザーの考えられる状況として、もう別のサイトですでに購入してしまっているケース、というのが多いです。

なのでこのユーザーセグメントに対しては、サイト内で一緒によく買われるような商材での訴求が有効な場合があります。
一般的な関連商品に興味を持つか分からない、もう似たような商材を買っているかもしれない、ので、CPC単価やCPAに注意しながら配信していきましょう。

商品詳細ページ離脱ユーザー

一般的には、リーセンシーの長いユーザーに対する配信と短い時を比べるとCVRは下がるので、CPAが上昇する傾向にありますが、対象となるユーザーが多くなる分、CV数は増えやすいと言えます。
よって適確な広告運用を行えれば、CPAを抑えながら、さらに購入数の拡大を狙うことが出来るのです。

カートページ離脱ユーザーへのアプローチでリーセンシーの長い広告配信でも購入数が頭打ちとなったら、次は階層を1つ広げて商品詳細ページ離脱ユーザーにもアプローチしていきましょう。

表2

■商品詳細ページ離脱×リーセンシー1週間以内
商品詳細ページを離脱して1週間以内のユーザーは特定の商品に興味・関心を抱いており、購入意欲は高い傾向にあると言えます。
ただすぐに商品を購入したりカートに入れるほどのモチベーションではないので、ユーザーの購入意欲を高める方法や購入ハードルを下げるような施策を打つ必要があります。

またカートに商品を入れるユーザーの中には自分が買いたい商品がどれだったか忘れないようにとりあえずカートに入れておく、という人たちもいます。
つまり商品詳細ページで離脱した中には、そういったカートの使い方を知らないユーザーや、ネットではあまり商品を買わない、といったユーザーもいる可能性があります。

商品詳細を見ていてかつリーセンシーが短ければ、購入確度は比較的高いと言いましたが、そういったユーザーがいることも考慮し、CPAが高くなりすぎないように配信を行う必要があります。

■商品詳細ページ離脱×リーセンシー1ヶ月未満
次に商品詳細ページを離脱して1ヶ月未満のユーザーですが、この人たちはサイトを訪問して1ヶ月経っても特定の商品をカートに入れていないことになるので、全体的に購入意欲は低い傾向にあります。

ネットサーフィンをしていた中で偶然あなたのサイトに辿り着いて商品を見ていた人や、実店舗で買う商品の目星をつけるために見ていた人などが考えられますね。

ただ中にはお金の問題ですぐに商品を買えなかった人や、在庫切れで欲しい商品が無かったために商品を購入していなかった人などもいるので、配信を続けながら入札設定や配信時間を細かくチューニングすることでCPAを合わせることも可能です。

商品詳細ページ離脱ユーザーの場合、1ヶ月以上経っても再訪問の無いユーザーに対して配信を続けてもCPAが合わない場合が多いので、リーセンシー軸は一旦ここまでで配信を区切り、購入数が頭打ちになったら次の階層のことを考えてみましょう。

商品検索結果ページ離脱ユーザー

■商品検索結果ページ離脱×リーセンシー1週間以内

表3

最後に商品検索結果ページを離脱して1週間以内のユーザーです。
このセグメントは欲しい商品のジャンルは決まっているけど、まだ1つの商品に絞り込めていないケースが多いです。
リターゲティングで訴求をしないと他のサイトや実店舗で商品を購入してしまうため、ここでもダイナミックリターゲティングの類似商品をレコメンドする機能が有効に働くでしょう。

ダイナミックリターゲティングではバナーから直接商品詳細ページに送客出来るので、レコメンド商品がユーザーの興味を引き1度でも広告をクリックしてもらうことができれば、商品詳細ページに訪れたユーザーとしてリーセンシーを伸ばして配信していくことも可能となります。

逆を言えばこの配信方法で詳細ページに移動しなかったユーザーは1度も広告をクリックしなかったということなので、そもそも広告バナーをクリックしないユーザーやもう他で商品を買ってしまったユーザーの可能性があります。

全体的な予算が余っていた場合やCPAに余裕がある場合は、もっとリーセンシーを伸ばして配信を続けても良いですが、基本的に商品検索結果ページの離脱ユーザーを追うのは1週間程度に留めておくのが良いでしょう。

運用事例紹介

上述してきた方法を活用して実際に配信した際の運用事例をご紹介したいと思います。
今回20~30代の女性をターゲットとしたレディースファッションのサイトを対象に下記4つの施策を実施しました。

① CV済みのユーザーを除外

② ダイナミックリターゲティングで配信

③ カートページ離脱後、1週間以内と1か月未満のユーザー、商品詳細ページ離脱後1週間以内のユーザーについては通常通りの配信

④ カートページ離脱後1か月以上経過したユーザーと商品詳細ページ離脱後1か月未満のユーザーに対しては昼の12時以降から夜中の1時まで配信

①のCVユーザーの除外設定は新規ユーザーの獲得を目指す上で一番大切なので、忘れずに設定しましょう。

②の配信メニューをダイナミックリターゲティングにしたのは、ファッション系のサイトは商品点数が多く商品画像の視認性が高い点からダイナミックリターゲティングと相性が良いからです。

③は購入意欲の比較的高いユーザーセグメントなので、通常通りの配信を行います。

④の時間帯制限の施策を実施したのは対象ユーザーである20~30代の女性、つまり大学生や社会人、主婦の方の行動傾向に基づいて設定しています。
お昼休みを取る12時頃、主婦の方の家事が一段落する、また学生の授業が終わる15時前後、夕食を食べ終わって寝るまでの19時以降などは物を買いやすい傾向にあります。
その時間に集中して配信を行うことで無駄な配信を無くし、CV数の増加を狙いました。

以上の施策を実施した際の新規ユーザー獲得CPAの結果が次の通りです。

表4

実施前と比べCPCは少し高くなっていますが、それ以上にCVRが改善されたため、最終的なCPAを落とすことに成功しています。
もちろんこれは一例ですので、他にもやり方は色々と考えられますが、ユーザー心理に合わせ適確に配信設定をすることで、リターゲティング広告で新規ユーザーの獲得を効率的に行うことが出来るのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はリターゲティング広告を活用した新規ユーザーの獲得方法として、「階層」と「リーセンシー」で配信セグメントを選定していく方法をご紹介しました。

他の新規獲得施策と同様に、リターゲティングで新規ユーザーのCVを増やすことは容易ではありませんが、自社サイトに訪問してくれているユーザーが何を考えているかに合わせて広告を活用することで高い効果を上げることが出来ます。
ぜひ現在の広告施策に活かして頂ければと思います。


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