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4つのフェーズで考える、配信量別リターゲティング広告でのCPAの合わせ方


こんにちは。nex8事業部の恩田です。
Webマーケティングを担当されている方の中には「リターゲティング広告を実施して自社で運用しているけれど、なかなか効果が合ってこない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は配信量とCPA(獲得単価)という観点で4つのフェーズごとのオススメ運用方法についてお伝えします。
フェーズ別リターゲティング施策完全解説!それでは参りましょう。

第1フェーズ:配信量が少なくCPAが合っていない

リターゲティング広告を配信する際は、グラフのような曲線を描きながらCPAを安定させ、配信量を伸ばしていき獲得を増やす、というのが王道のパターンですが、これは4つのフェーズに分けることが出来ます。
第1フェーズとして、まずは配信量が少なくCPAも合っていない時から考えてみましょう。

初動効果検証

ここからは具体的に以下の条件で進めていきます。

■条件
あなたは目標CPA1000円のECサイトを運用しています。
リターゲティング広告に使える予算は月間30万、1日1万円分を配信するイメージで開始しました。
配信開始をして5日目、2万(4000円/日)を使いCPAは1500円ほどです。
このままだとCPAは合わないし、予算を上手く使い切ることが出来ない状態です。

配信量が少なくて最もよくないのは、配信データの収集が遅れ、あなたのサイトに訪れていたユーザーの傾向がつかめないことです。
改善するにもどうやって改善すればいいのか分からなくなってしまうのです。

リターゲティング広告の改善策として効率的なのは、まずは広くアプローチし段々と効果の良いユーザーや配信枠に絞っていくという方法です。
ですので、一度配信量を伸ばすことを考えてみましょう。

■キャンペーンを見直してみる
リターゲティングのキャンペーンの多くは、どのページ階層(カートページや商品詳細ページなど)でリターゲティングするか、どのリーセンシー(サイトを訪れてからの経過期間)のユーザーをターゲティングするか、の2つで構成されます。

一般的には、「コンバージョンページに近いページ」の「リーセンシーが短いユーザー」で構成したキャンペーンほど、CPAは低くなる傾向にあります。

CPAは低くなる傾向にはあるのですが、配信量も減ってしまいます。
これはTopページに訪れたユーザーよりもカートに商品を入れるユーザーの方が総数が少ない、サイトを訪れてからの経過時間が3日以内のユーザーよりも1日以内のユーザーの方が少ない、と考えるとイメージが付きやすいと思います。

ある程度のコンバージョンは獲得出来たとしても、データの収集があまりできていないので、ユーザーの傾向や効果の良い配信枠がどこかであるかはわからないでしょう。
なのでそこからの改善は見込めず、CPAは悪化してしまいます。
もちろんCPAは低くなる傾向にあるとは言いましたが、必ずコンバージョンが取れるわけではありませんし、なぜ取れないのかもデータがなければ分かりません。

そこで配信を始めてすぐは、あまり絞りすぎることなく、学習期間だと割り切って傾向がつかめるだけのユーザー数を確保することをオススメします。

私自身運用していく中で、目標のCPAにもよりますが、日予算に対して3分の1から4分の1程度の金額が配信されるキャンペーン(どのユーザーを対象として広告配信するかの単位)を作って配信すると、どのキャンペーンからコンバージョンが出たか、配信先の良し悪しといった傾向がつかめるのでは、と感じています。
リーセンシー・ページ階層を決める際に、対象ユーザー数がどのぐらいになるかを意識してみてください。

■入札金額(CPC・CPM)を見直してみる
続いて入札金額の調整を考えてみましょう。
入札金額(ここではCPCとします)を調整することで、CPAと配信量の両方に影響が出てきます。

リターゲティング広告は配信するメディアサイトの広告枠をオークション形式で決定します。
よって効果の良い配信枠は効果の悪い枠よりも入札金額が高くなりやすいです。
普通のオークションを想像してもらうと分かりやすいのですが、他の広告主もその枠に配信を積極的にしたいので入札を高く設定するためです。

つまりCPCを低く設定しすぎていた場合、効果の悪い配信枠ばかりを買ってしまっていて、効果の良い配信枠には配信すら出来ていない可能性が高いのです。

では極端にCPCを高くすればいいかというとそういうわけでもありません。
こちらCPAについての記事よりCPAは

CPA=CPC÷CVR

と書くことが出来ます。

もしもCPCを上げた分だけコンバージョンが取れるなら良いですが、そうでなかった場合CPAも上がってしまう可能性があるのです。
配信量を伸ばすために、CPCは高く設定すべきですが、CPAの上がりすぎない適切な価格設定が重要になってきます。

キャンペーンと入札金額を見直すことで、一時的なCPAの上振れが考えられますが、「CPAが合わない→効果の良いとされるキャンペーンのみにして配信量を絞っていく→コンバージョンが出ない→CPAが合わない…」の負のループに陥らないよう、まずは十分に配信を行いデータの収集を行ってみて下さい。

第2フェーズ:配信量は伸びたがCPAが合っていない

続いて配信を拡大したあとのフェーズについて考えてみましょう。
このフェーズではある程度ユーザーや配信枠について傾向がつかめてきているとは思いますので、配信量を調整しCPAを抑えるように運用していきます。

最適化中1

■配信枠を精査する
ある程度配信を行うと、自社サイトに適していない配信枠というのが見えてきます。
例えば、1日の配信のうち配信枠Aには、毎日1000円配信をしていて1件もコンバージョンが上がっていない、一方で配信枠Bは500円配信をしていてコンバージョンが何件も上がっているといったことが起こります。
そのような、配信をしてもコンバージョンが上がりづらい配信先はないかを探してみましょう。
配信枠を見ることで、効果の良い枠、自社商材と相性の良いメディアサイト枠も見つかりますので、まずは一度チェックしてみて下さい。

■キャンペーンを調整する
第1フェーズでは広くユーザーに配信が出来るようにキャンペーンを作成し、入札金額も高く設定をしていたと思います。
下記の表のようになっていたとしましょう。

表①

目標のCPAは1000円だったので、「カートページ×リーセンシー14日」と「商品詳細ページ×リーセンシー7日」と「商品詳細ページ×リーセンシー14日」の3つは一度配信を止めてしまってもよいかもしれません。
または、やはりコンバージョンページに近いページかつリーセンシーの短いユーザー層の効果が良いと分かったので、「商品詳細ページ×リーセンシー5日」という新たなキャンペーンを作成するのでもよいでしょう。

配信量は少し落ちますが、より費用対効果の高いユーザーに配信をするので、目標CPAに近づける事ができそうですね。

この表はあくまで一例であって、実際にはコンバージョンページより遠いページで効果が良かった、リーセンシーも長い方が効果が良かった、ということがあります。
そういったことは、1度大きく配信量を伸ばさないと見えてこないものですので、注意が必要です。

第3フェーズ:配信量を維持してCPAを合わせる

第2フェーズでは、配信対象ユーザーを限定し配信量を落とすことで、CPAを抑えました。
続いてさらに効率化を図り配信量をそれほど落とさず、CPAを目標値へと近づけていきます。

最適化中2

配信キャンペーンを絞り、予算を寄せた結果、下記の表のようになりました。

表②

自社と相性の良いユーザー層が分かり、そこへ配信を集中させたのでCPAを抑えることに成功しています。
このユーザー層に対して今ある予算の中で、CPAを目標値に近づけるため、入札金額(CPC)を見直してみましょう。

■入札金額を下げる
CPAは、CPA=CPC÷CVRと計算することができるので、CPCを安くするかCVRを高くすることでCPAの改善が可能となるわけですね。
CPCの調整はすぐに実施することができコントロールしやすいので、こちらを考えてみます。

CPAは現在1100円、3つのキャンペーンを合わせた平均のCVRは1.82%だったので、この時CPCは20円です。

CPA(1100円)=CPC(20円)÷CVR(1.82%)

CVRは変わらないとすると、これをCPA1000円にするためにはCPCを

CPC=CPA(1000円)×CVR(1.82%)=18.2円

にすればよいということになります。

CPCを下げることで、広告枠を取りづらいという事が起こるかもしれませんが、CPAの上振れ分を、まずは単純にCPCを下げたら合うか試してみてください。

■効果の良いキャンペーンの入札金額を上げる
もう1つCPCについて、今度は効果の一番良かったキャンペーンの入札金額を高くしてみましょう。

ここで、入札に勝てているかどうかという視点を持ってみます。
リターゲティングは、オークション形式でどの会社の広告が配信されるか決まります。
もちろん入札するのは自社だけではありません。

あるキャンペーンのユーザーに対してオークションが10回行われ、あなたのサイトの広告が2回表示されていた場合、残りの8回は他の企業の広告が表示されていたことになります。
入札勝率は20%です。
つまり入札に勝てていれば、今の5倍配信される可能性がある、ということになりますね。

先ほどのキャンペーンで考えてみましょう。
最も効果が良かったのは、「カートページ×リーセンシー3日」でした。

表③

このキャンペーンの入札勝率が20%であれば、実は40万円まで配信可能である、ということになります。
そこで、入札金額を強めて配信量を増やし、3つの中でも「カートページ×リーセンシー3日」のキャンペーンを多く配信させてみましょう。

これまで広告を見ていない人に対して配信をするので、CTRとCVRがそれほど変わらないと考えると、下記の表のようになりますね。

表④

CPCを上げた分、「カートページ×リーセンシー3日」のキャンペーンは配信量と配信金額、コンバージョン数が伸ばせました。
一方で残り2つのキャンペーンは予算を寄せた結果、配信金額、コンバージョン数が減少しています。
ですが、全体で見た時に件数は増やせて、CPAも目標の1000円に近付けることが出来ているのが分かります。

このように個々のキャンペーンに入札勝率の視点を加えてみると効率化が図っていけるのです。

第4フェーズ:目標CPAは維持、さらに配信量を伸ばす

目標CPAを達成出来たので、次は配信量の拡大をして獲得件数の増加を狙うフェーズです。

拡大

■新しくキャンペーンを追加する
ここまでで、効果の良いキャンペーンを見つけ、そのキャンペーンをさらに効率化したので、もうこのキャンペーンは触らず維持をさせておくのがよいでしょう。

よってキャンペーンを新しく作ることで、配信対象となるユーザーを増やしていきます。
追加するキャンペーンは効果の良いキャンペーンを基準にして下記の2通りが考えられます。

① 基準となるキャンペーンよりページ階層を深くする
② 基準となるキャンペーンよりリーセンシーを長くする

先ほどの例でいくと、色を付けた2つのどちらかということですが、どちらを選ぶか、ここは難しい選択になります。

  • 表⑤
  • 第1フェーズで説明したように、やってみないとわからないというのが正直なところでもあります。

    ですのでこれは同時に動かし、効果検証をしてみましょう。

ユーザーを増やすことで配信量を増加させると一時的にCPAは高騰しますが、これまで説明してきたことを繰り返し行えば、最終的なCPAを抑えることが出来るはずです。

ここで絶対にやってはいけないことは、CPAが高騰したからといって、新しく追加したキャンペーンの配信を原因を特定せず途中で止めてしまうことです。
データを収集できるのですから、必ず分析・検証を行いCPA高騰の原因をつきとめて改善をしていきましょう。

まとめ

今回はリターゲティング広告の運用方法を配信量の観点から4つに分けてお伝えしました。
基本的には、配信対象ユーザー数を増やす→効果の良いユーザーのみにしぼる→その中でも効果良いユーザーへの入札を強める→CPAが安定したら、配信対象ユーザーを増やす、とこの繰り返しになるかと思います。
微妙な調整等が多く、難しい部分もあるかもしれませんが、ぜひみなさまも実施してみて下さい。


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恩田 貴大

新卒入社。A8事業部で営業に従事し nex8事業部ミッションの『「よくぞ、出してくれた!」なんて言われる広告を』に惹かれて、やってきました。 尊敬する監督は落合博満。

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