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その広告正しく運用できてる!?運用型広告の目標設定をする際の基礎ノウハウ


今回は年々注目度が高まっている運用型広告についてのお話です。

SNS広告やネイティブ広告など新しいサービスがどんどん出てきて、「どのサービスにどのくらい予算を使えば効果が分かるの!?」、「どうやってサービス毎の目標CPAを決めれば良いんだろう?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

そんな皆さんのために、今回は運用型広告の広告予算や目標CPAなどの設定方法をご紹介したいと思います。

運用型広告とは

まず初めに運用型広告とはどういうものなのか、一言でいうと「ターゲットや広告枠毎に配信単価を変動させながら出稿する形式の広告」をいいます。

これだけだとわかりにくいので身近な具体例を挙げると、普段から目にすることも多いリスティング広告、このブログの別の記事(今さら聞けない!?リターゲティング広告についてEC担当者が知っておきたい基礎知識)でも紹介しているリターゲティングがそれに当たります。

運用型広告の特徴は、複数の広告枠を自動的に買い付けられること、そしてその入札金額を対象となるユーザー毎に変えられることなので、次の2点のメリットがあります。

・費用対効果が高い
従来の純広告に代表されるような、固定の配信枠を買い取って一定期間広告を掲載する方法とは異なり、実際に掲載してみて効果の高かった施策に重点的に予算をかけることが可能なため、高い費用対効果が期待できる。

・柔軟な目標設定が可能
効果に合わせて入札単価や配信量を調整したり、配信ターゲットを変更したり出来るため、目標CPA(獲得単価)を維持しつつCV(コンバージョン)数を出来るだけ伸ばしたい、CPAよりもCV数をとにかく取っていきたいなど、サービスの状況に応じて、柔軟に目標設定をすることが可能。

下のイラストで運用型広告とその他の広告のサービスについて一例を挙げていますので参考にしてみて下さい。

チェス

市場状況

近年では、いかに成果を出すために広告を運用するかが重視されるようになり、”広告運用で成果を上げられる”運用型広告が注目されています。
こういった市場の変化に伴って、2016年にはネット広告の総市場における運用型広告のシェアは70%近くを占める市場規模になるとも言われています。

ただそんな運用型広告も実際に運用する担当者によって結果が大きく変わるといった課題もあります。
というのも広告の運用方法には正解が無く、どのように運用すれば思うような結果が得られるかが不透明になってしまうのです。
EC担当者が新しいサービスに手を付けづらくなっている要因の1つにもなっているかと思います。

そこで今回は、なるべくローリスクで運用型広告を実施できる目標設定と予算配分の方法を4つのステップに分けて紹介していきます。

運用型広告の目標設定と予算配分

広告全体における目標を設定しよう

運用型広告を実施する際、まず初めにするべきことは、広告を実施する上での全体目標を設定することです。
具体的には次の2パターンいずれかの指標に対して数値目標を設定します。

パターンA
・CPA
・CV数
・広告予算

または

パターンB
・ROAS
・売上
・広告予算

CPAは1件のCV獲得にかかった費用、ROASは売上金額に対する広告費の割合のことを指しています。
今回は多くのEC担当者が目標として設定しているCPAを指標にしたパターンAで話を進めていきます。

目標CPAの設定方法の詳細は、前回の記事 (その目標CPA、大丈夫? ネット広告における目標CPAの重要性と改善方法 )をご参照下さい。
前回の記事の内容に沿って目標設定を行うと目標CPA、目標CV数と、そのために必要な広告予算が決まります。

運用型広告を「見込み施策」と「新規施策」に分けよう

運用型広告における目標CPA、目標CV数、必要となる広告予算の設定が出来たところで、もう少し細分化して目標の設定を行っていきましょう。

手法が多様化しているインターネット広告も運用型広告に限ってみると、あなたのサービスを知らないユーザーに対する新規獲得重視の施策と、すでに知っている、または興味を持っている見込みユーザー重視の施策の大きく2つに分けることが出来ます。

例えばビッグワードを活用したリスティングや、アドネットワークで特定のメディアを指定して配信するパッケージング配信などは新規施策、リスティングの中でも商標周りの指名キーワードを活用したものや、DSP(※1)によるリターゲティングについては見込み施策に該当します。
※1)DSP(Demand Side Platform): オンライン広告において、広告主側の広告効果最大化を支援するためのプラットフォーム。

運用型広告を分けよう

新規施策と見込み施策の2つは配信するターゲットの違いにより、それぞれ下記のようなメリット・デメリットが考えられます。

【新規施策】
メリット:新規ユーザーの獲得に強い
デメリット:CPAが高い

【見込み施策】
メリット:CPAを抑えて獲得できる
デメリット:新規ユーザーの獲得が少ない場合がある

上記のメリット・デメリットから運用型広告それぞれの施策におけるCPAとCV数の関係を、下図のようにまとめることが出来ます。

施策実施の流れ

① CPAを抑えやすい施策
② CV数を多く獲得できる施策
③ 新しい広告(まだ広告効果を分析しきれていないものなど)

①の領域が見込み施策、②の領域が新規施策ということです。
これらを元に実際に施策ごとの目標を設定する方法として、最も基本的な広告運用のサイクルをご紹介します。

Ⅰ.まずは①の施策と②の施策を同時に実施してみて、CPAやCV数を計測します。
Ⅱ.CPAが高くなった場合は、②の施策を停止し、①の施策のみ運用することでCPAを合わせていきます。
Ⅲ.CPAが合ってきたら、再度②の施策を行いCV数の増加を狙いに行きます。
Ⅳ.①、②を実施した結果、残予算に余裕がある場合は③の新しい施策に予算を回しさらに拡大を図ります。

ここでは③の施策を実施する流れまで紹介していますが、基本的なサイクルとしては①、②の施策を押さえておけば問題無いでしょう。
よってまずはCPAを抑えやすい見込み施策から目標の設定を行うのが定石となります。

見込み施策の目標設定をしよう

見込み施策の目標設定をする際のポイントは、指標となる目標CPAを設定し、その目標値を超えない範囲で獲得件数を最大化させていくということです。

例えばリターゲティングの場合、一度あなたのサイトに訪問しているユーザーのみが配信対象となるため、広告予算を増やしすぎると、同じユーザーに広告が表示される回数が増えるだけで、獲得効率としては悪くなる危険性があります。

使用できる広告予算が限られていて、獲得件数も一度訪れたユーザーのみへの配信で上限があることから、いかに効率よく刈り取るかが重要になってくるのです。

下記はレディースファッションのECサイトで新規ユーザーに対するリスティング広告と、見込みユーザーに対するリターゲティング広告を実施した際の効果実績です。

効果実績

見込み施策であるリターゲティングは、新規施策であるリスティングよりも安いCPAで獲得できていますが、その分CV数が少なくなっていることがわかると思います。

このようなECサイトの実績や、実際に運用してきた中での経験則になりますが、目標設定の数値は平均して下記のようになることが多いです。

目標CPA:全体目標のCPAの2分の1
CV数:全体目標のCV数の3分の1

目標のCPA、CV数の設定について、これまで一度も見込み施策を実施したことが無い場合は上記の数値を参考にしてみて下さい。

目標CPAとCV数が決まるとそのために必要な広告予算が出せるため、これで見込み施策の目標設定は完了です。

新規施策の目標設定をしよう

次に新規施策の目標設定について考えていきましょう。

新規獲得施策の目標設定の方法はいたってシンプルです。
3-3で見込み施策の目標CV数と広告予算が決定しているので、全体の目標CV数と広告予算から見込み施策の値を引いてやれば、新規施策の目標CV数と広告予算が出て来ます。
あとはその広告予算をCV数で割ると、設定すべき新規施策の目標CPAが決定します。

ただここで気を付けてほしいことがあります。
それは新規施策はCPAが高くなりやすいということです。
新規施策は、まだあなたのサイトを知らない人に対する広告配信です。そのため対象となるユーザーの母数に上限が無く、配信対象のユーザーを見込みの高いユーザーに絞らなければ、CPAが高くなる危険があります。

リスティング広告でビッグワードに入札したり、DSPによるオーディエンス拡張配信(※2)を実施することで利用金額の消化がハイペースで進んだものの、なかなかCVがついてこず最終的なCPAが見合わないといった経験をしたことのあるEC担当者の方も多いのではないでしょうか。
※2)オーディエンス拡張配信: Web上の行動ログから「自社サイトでアクションを起こしたユーザーに似ている」ユーザーを抽出し、広告配信を行うこと

そうならないためには日ごとで予算制限をかけたり、CV数が増える時間や曜日に限定して配信するなどして、効率よくCV数を伸ばす工夫が必要です。

なお、新規獲得施策はまだあなたのサービスを利用したことのないユーザーを多く獲得できるため、初回CVの獲得CPAだけでなくその後のLTV(※3)も加味した上でCPAを設定する必要があります。

新規施策のCPAを設定したことが無い場合は全体の目標CPAの2倍程度を新規施策のCPAの目安にすると良いでしょう。
※3)LTV(Life Time Value):顧客生涯価値のこと。ある顧客が生涯を通じてどのくらい利益に貢献するかを算出した数値。

まとめ

いかがだったでしょうか。

これからインターネット広告を活用してプロモーションを始める方々にとって、今はあまりにも多くの手法やサービスが存在する情報過多の状態になっています。

その中で正しくネット広告を活用して頂くため、今回は運用型広告をテーマとして、広告を実施する全体的な目標を設定→見込み施策のCPAを設定→新規獲得施策の予算を設定→残予算を再び運用という流れをご紹介してきました。
この方法はローリスクで実施できる基本的なネット広告運用の流れとなります。

ここで思い出してほしいのは、運用型広告は配信後も配信ターゲットや入札単価を柔軟に変えることが出来る、ということです。
上記が私の思う運用型広告の一番の強みなので、配信結果を踏まえてトライ&エラーを繰り返すことが、あなたの望む結果に繋がる一番の近道ではないかと思います。


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nex8編集部

nex8ブログは、リターゲティングサービスnex8の担当が執筆を行っています。Webマーケティングを初めて実施する方でも分かりやすく学べることをコンセプトに情報をお届けしています。