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CPAとROASから考える、失敗しないネット広告の運用方法


こんにちは。nex8事業部の松元です。
近年新しい手法がどんどん登場しているネット広告ですが、どういう判断基準で自社に合った広告を選定し運用すればよいか、基準が分からずに色々な広告手法に着手出来ないEC担当者の方も多いと思います。

認知拡大やブランドイメージの向上など指標は様々あるかと思いますが、今回は私が考えた費用対効果を軸にした広告の選び方についてご紹介したいと思います。

基準の明確化

最初に決めなければいけないのはネット広告を実施した際の指標や評価基準などを明確にすることです。
広告効果の中にもCPCやCPA、ROIといった様々な指標が存在します。
自社サイトが今、どんなフェーズにいて、何を達成するためにネット広告を実施するのか、それを定めておきましょう。

今回は多くのECサイトや運営担当者が指標にしているCPA(顧客獲得一人あたりの支払額)とROAS(広告の費用対効果)の2つを基準として考えていきます。

これら2つの指標を改善するために、つまりCPA単価を低く、ROAS値を高くしやすい広告を選ぶためにどうすればよいか、次章からその具体的な考え方について紹介していきます。

CPA指標の場合の改善方法

まずはCPAを指標とした場合のネット広告の改善方法について考えてみましょう。
CPAを簡単におさらいしておくと、商品購入や会員登録など広告主があらかじめ設定したコンバージョン(成果や目標)が1回発生するまでに使用した広告費のことをいいます。
詳しい解説はこちらの記事をご参考下さい。

このCPAの改善については以下の式をもとに考えることが有効です。

CPC÷CVR=CPA

例えばCPC(クリック単価)が20円、CVR(コンバージョン率)が1%の場合、CPAは2000円となりますね。

よってCPAに影響を与えるのは、クリック単価とコンバージョン率の2つであり、これら2つを改善することでCPAを下げることが可能です。

CPA表

上図は、基準値からクリック単価、コンバージョン率をそれぞれ改善した場合に、CPAがどう変化しているかを表しています。
施策①ではクリック単価を20円→15円に下げることでCPAを1500円に、施策②ではコンバージョン率を1.0%→2.0%に上げることでCPAを1000円に改善した場合です。
CPAを基準にした場合、クリック単価とコンバージョン率の2つの改善に長けた広告を選ぶべきだと言えます。

具体的な方法は広告手法によって様々ですが、一例としてリスティング広告の改善方法をご紹介します。

まずクリック単価を下げる方法ですが、リスティング広告はクリック課金のサービスなので、単純に入札金額を下げればクリック単価は下げることは可能です。

ただ、入札金額を下げるだけでは掲載位置が下がりコンバージョン率低下の原因にもなりかねません。
そこで、クリック単価とキーワードとの関連度から決まる品質スコア(品質インデックス)を上げる、ビッグキーワードよりも具体的で語句数が多いため、入札であまり競合せずCPC単価が安い傾向にあるスモールキーワードへの入札を行うなどして、クリック単価を調整するようにしましょう。

また最近ではスマホ最適化済みのサイトも多いですが、まだ最適化をしていないサービスも存在するため、デバイスをスマートフォンに限定して入札した時には安いクリック単価で出せる場合もあるようです。

次にコンバージョン率を上げる方法ですが、これはリンク先ページにおけるコンバージョンまでの導線や、サイト自体の使い勝手に大きく影響するため短期的に変わらない部分もあります。
ですが、リスティング専用のLPを作る、キーワードと広告文とリンク先ページに一貫性を持たせるなどするとコンバージョン率の向上が見込めます。

ROAS指標の場合の改善方法

次はROASを指標とした場合の広告の改善方法について考えてみましょう。
ROASとは広告経由で発生した売上を使った広告費用で割った数値のことで、広告の費用対効果とも言ったりします。
具体的には以下の式で求めることが可能です。

ROAS=広告経由売上÷広告費×100(%が単位になるため)

例えばCPAが2000円で平均の顧客単価が10000円だった場合、ROASは500%、つまり広告で使った費用の5倍の売上を得たということになります。
ROASに関しても参照記事があるので、詳しくはこちらをご参照下さい。

ROASを改善するための方法は式から考えるとCPAを下げるか、広告経由の売上に繋がる顧客単価を上げるかの2つが考えられます。

ROAS表

こちらの図も先ほどと同じようにCPAを下げた時、顧客単価を上げたときのROASの変化を表しています。
施策①では前章で紹介したクリック単価を下げる、またはコンバージョン率を上げることでCPAを下げて、ROASを667%に改善した場合、施策②は顧客単価を3000円上げることで、ROASを650%に改善した場合です。

ROASを改善させるには、CPAを下げること、顧客単価を高めることが重要になるのですが、ここでもリスティング広告を例に、その方法を紹介しましょう。

CPAを下げる方法については前章と同様の方法となりますが、難しいのは顧客単価を上げることです。

一例として、デバイス毎で目標設定を行う方法があります。

単価の高い商品はスマートフォンで閲覧したあとにPCでしっかり詳細を確認し、最終的な購入はPCで行うという例も多いため、スマートフォンとPCで顧客単価に大きな差が出る場合があります。
そうするとCPA はPCの方がスマートフォンより高くても、顧客単価が高いためにROASはPCの方がよいという場合も考えられますので、PCとスマートフォンで目標CPAを分けて考えることでROASの改善が可能です。

またスモールワードで入札する場合、キーワード毎でも購入単価が変動する可能性もあります。
例えばアクセサリー系だと、自分用でなく、「ペアジュエリー」や「プレゼント」といった、誰かと一緒に使用するものや、誰かのために購入するものだと平均より高単価な商品を選ぶ傾向にあるため、高い顧客単価が見込めるかと思います。

他にもファッションだと「アウター」や「ジャケット」といったキーワードからサイトに流入してきた場合の方が、単価の高いジャケット等の商品を購入してもらいやすいため、購入単価が上がりやすい傾向にあります。
このようにキーワード別の購入単価やCPAでも最適化をかけることが出来ますね。

具体的な事例

基準を設けることで、例えば新しく実施した施策の結果が芳しくなかった時にどのような対策を行えばいいのか、または実施した施策やサービスと自社商品との相性が悪かっただけなのか、など分析の軸を持つことが出来ます。
具体的な内容について、以下の例をもとに見ていきましょう。

■広告主A社(ファッション系広告主)
2月初旬。3月に向けたマーケティング施策とKPIの検討をしている。
3月が繁忙期に当たるタイミングなので直近の売上増加が重要指標だと考え、「ROAS指標」で広告施策を実施することになった。
現在はアフィリエイト広告、SNS広告、リスティング広告、リターゲティング広告を実施している。

■3月の施策
・リスティング広告
春物の購入数を伸ばすことを狙い、「カーディガン」や「ニット」などのスモールキーワードへの入札を強め、ほかのキーワードの入札を弱める運用を行うことにした。

・リターゲティング広告
これまで実施してきた施策の中で最もROASが良かったので、3月から新しくリターゲティングサービスを追加実施することが決定した。
実施サービスは同業他社も多く利用していて、自動で最適化がかかることから運用の手間がかからないと考え、B社のサービスに決定。

■3月施策の結果
・リスティング広告
春物の購入件数を伸ばすことに成功したのだが、顧客単価が当初の想定よりも下がってしまったため、最終的なROASは目標値より下回ってしまった。

・リターゲティング広告
リターゲティングは新しいサービスを追加したことで売上自体は伸びたが、クリック単価が以前よりもかなり高くなり、かつ新しく実施したサービスのコンバージョン率が想定よりも低い数値となり、費用対効果としては期待していたよりも下回る結果となった。

■考察
さて今回のケースではどれが誤った施策で、実際にはどのような対策を取るべきだったのでしょうか。

まずリスティングに関しては顧客単価が下がったことがROAS悪化の要因ということなので狙ったキーワードの選択が誤っていた可能性があります。
3月という時期を考えると、自分用に春物の洋服を買おうと考えている人もいれば、バレンタインでチョコをもらった男性がお返しを探している、といったことも考えられます。

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なのでホワイトデー需要を狙って「プレゼント」や「アクセサリー」などのキーワードへ入札を行う、もしくは「ホワイトデー」というキーワードと別のキーワードを絡めて入札を行うと、顧客単価は高まるかもしれません。

他にもデバイス別で分析を行うと、PCでは比較的年齢層が高く、単価の高い商品を購入する人のコンバージョンが多い、逆にスマートフォンは若い年齢層がメインターゲットとなりやすいため、ホワイトデーのお返しを購入するユーザーについて母数は多いが、購入単価は低いといった傾向も出てくるかもしれません。
そういったデバイス毎の傾向をもとに設定を考えると、より効果の改善が見込めるのではないでしょうか。

次にリターゲティング広告についても考えてみましょう。
これは新しく追加するサービス会社の選択を誤った可能性が高いです。

3月に実施する施策を2月初旬から検討するのであれば、かなり短期間で最適化をかける必要がありますが、自動運用のサービスでは最適化に一定の時間がかかるため、直近での売り上げを作る施策(ROASを向上させる施策)としては不向きな可能性があります。

またクリック単価が高くなっていた点から同じ配信面に対して、多数の会社が入札をしてしまい、入札のクリック単価を高め合ってしまったことも考えられます。
そうすると配信面の独自性が高い、または配信面のセグメントを設定できるサービスが向いていたかもしれませんね。

このように重要指標であったROASが悪化した原因をサービス別、要素別で考えて改善を加えていくことで、ミスのない運用を行うことが可能になります。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回はCPAやROASといったネット広告の効果指標に基づいた、広告の運用方法についてご紹介しました。
今回ご紹介した基準や目標を設けるということは、分析軸を持つことが出来るので、効率的に広告運用をしていくことが出来ます。

また現状効果の悪いサービスの改善策を考えるための判断基準にも役立つと思うので、是非参考にして頂けると嬉しいです。


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松元啓悟

2015年に新卒1期生としてファンコミュニケーションズに入社。 A8.netの新規営業を経験したあと、現在はnex8の新規営業と広告運用を担当中。 好きなものはロックフェスと仕事終わりのビール、いい仕事をして最高のビールが飲めるよう日々頑張っています。

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