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ECサイトのWebマーケティング施策を購買ファネルから考える


こんにちは。nex8事業部の砂森です。
前回の記事では「Webマーケティング」の基本的な知識や施策について、ECサイトに特化してご説明しました。
EC担当者が知っておきたいWebマーケティングの基礎知識
ですが、やはり自社のECサイトでは何から手を付けてよいか分からない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は前回記事の3章の内容を掘り下げてみようと思います。
ECサイトにおけるWebマーケティング施策を購買ファネルとGoogleアナリティクスを用いて、実際に何を実施するのがいいか具体的な決定の仕方についてご説明をします。

購買ファネルごとのWebマーケティング施策

電通が2005年に提唱したAISASモデルというものがあります。

これはAttention(注意・認知)Interest(興味・関心)Search(検索)Action(行動・購入)、Share(共有)の頭文字をとったもので、インターネットが広く普及した現代でユーザーが購買行動を起こす際の行動プロセスを指しています。

知らなかった商品に注目・認知(Attention)をして、それについてだんだんと興味(Interest)を持ち始めサイトに訪問。
欲しいと思ったので他社と比較しようと検索(Search)をして、比較検討した上で購入(Action)、SNSなどで商品の感想を共有(Shere)する、といったような流れです。

aisas

AISASモデルに代表されるように、一般には商品の認知→購入の間でユーザーの母数は徐々に減っていきます。
そしてこれを図示したものは購買ファネル(※)と考えることが出来ます。
※購買ファネル:広く集客した見込み顧客が、その後検討や商談を経て成約へと進む中で段々と少なくなっていく様子を図にすると漏斗形になることからそう呼ばれています。

購買ファネルの各段階において、次の段階に進む際、ユーザー数は減りますが、この減少ユーザー数を最小化し、最終的な購入に至るユーザーを増やしていくのが、購買ファネルを使った改善施策の考え方です。
減少ユーザー数の最小化を目標に、Webマーケティングの施策を段階別に考えることが出来るのです。

下記では認知、興味・関心、比較検討、購入の4つの段階における施策を簡単に説明しています。

■認知をさせる施策(Attention)
スタートはいつでも知ってもらうことからです。
Yahoo!のTopページにある純広告、Googleのアドネットワークなど、無差別に商品の訴求ができる広告手法や、オウンドメディアを作り、上手く自社のサイトに誘導をすることで、まずは商品をユーザーに認知してもらいましょう。

■興味・関心を持ってもらう施策(Interest)
知ってもらった商品に対して、興味をさらに持たせ好きになってもらう段階です。
例えばあなたのサイトを見てみようと検索をした際に、キーワード等のSEO対策をして検索上位に表示させたり、リスティング広告を出したりすることでサイト流入を促すことができます。
また何度か同じものを見ることで親近感が湧くとされる単純接触効果を利用し、ディスプレイ広告やSNS広告などを配信することでも効果が見込めます。

■比較検討段階の施策(Search)
他社と比較するために、似たような商品を調べたり、商品詳細ページを見たりして、どこで買うのがいいかを検討しているユーザーに対して行う施策です。
詳細ページを見たユーザーにリターゲティング広告を配信する、アフィリエイト広告を導入して比較サイトやランキングサイトへの掲載を進めるなど、比較検討するユーザーの候補に常に挙がる状態にしておきましょう。

■購入してもらうための施策(Action)
比較検討から購入をしてもらうまでがここで行う施策です。
ユーザーの購入体験を損なわないように、LPO(ランディングページの改善)、かご落ちの減少が見込める施策を行いましょう。
この段階での集客方法の例として、ダイナミックリターゲティング広告を使って商品を訴求し詳細ページで直接送ることでユーザーが買いやすい導線を作る事が出来ます。

具体的なKPI設計とWebマーケティング施策例

1章で述べたように、ユーザーの購買行動に合わせたWebマーケティング施策が非常に重要になってきます。
では具体的なユーザーの購買行動に合わせた施策とはどのように考えればよいでしょうか。

ここでは、実際のユーザー行動として以下を考えてみます。

0. ユーザーはあなたのサイトの商品を知らない。
1. 広告等によりあなたのサイトの商品を知り、サイトに訪れる。
2. あなたのサイトに訪れて、Topページ以降も見るが、一旦離脱。
3. 何度か広告等で商品を見かけ関心が強くなり、商品詳細や他社の似た商品を検索する。
4. 比較検討の結果、あなたのサイトで商品を購入する。

このうちの0~3の間で起こりうる課題を解決する、つまり0→1、1→2、2→3に進む際のユーザーの減少率を低くすることが出来れば、最終的な購入率や売上を上げることが出来ると考えられます。
よって、それぞれの段階で適切なKPIを設計し、それを満たすための施策を実施すればよい、ということですね。

aisas_kpi

この記事では、先ほどのユーザー行動から上図のようなKPIを設定した時を考えます。
またそれぞれの段階での課題やKPIの数値測定についてはアクセス解析を行う必要があるのですが、簡単に検証することの出来るGoogleアナリティクスで説明をしていきます。

「Googleアナリティクス」と「KPI」についてはそれぞれ下記の記事で紹介していますので、参考にしてみて下さい。

EC担当者がGoogleアナリティクスでサイト改善するための基本的な用語と使い方
EC担当者なら知っておきたい、サイトの目標達成に必要な「KGI」と「KPI」

流入を増やす(認知段階での課題)

ECサイトの購入率はおよそ2%程度だとされています。
目標の売上に対しそこから逆算をすることで、流入しなければならないユーザー数を算出してみましょう。
ここでのKPIは「流入数」と設定します。
各購買ファネルでの減少率を減らすまえに、そもそものユーザー母数を稼がなくてはなりませんね。

式

あなたのサイトの平均単価が2,500円、月の売り上げ目標が100万円だった場合、先ほどのユーザー行動を考えると、広告経由も含め月間で2万人を流入させる必要がある、ということです。

Googleアナリティクスの[集客→すべてのトラフィック→チャネル]からどこからの流入が最も効率的に集客しているか確認し、「流入数」が達成出来ていないのであれば、認知してもらう施策にリソースを割いて、この段階でのKPI達成を目指します。

サイトに訪れたユーザーの質を高める(興味関心段階での課題)

商品を知り、興味を持ったユーザーが増えると、あなたのサイトに訪れる新規ユーザー数が増加します。
しかし興味関心度の低いユーザーがいるのも事実です。

先ほど想定したユーザーの購買行動ではTopページ以降を一度でも見てもらわなければいけないのですが、関心の低いユーザーの割合が多くなれば、深い階層のページには訪れないし、先ほどのECサイトでの一般購入率2%というのも低下してしまいます。

ユーザーの質、という点で高いか低いかを判別するために、例えばKPIとして、「実施中の広告経由で流入してきた新規ユーザーの直帰率」を考えてみましょう。
現在実施している広告施策に本当に意味があるのか、を判別する数値であるとも考えられますね。

先ほどと同じように[集客→すべてのトラフィック→チャネル]で流入元ごとの集客状況を開き、デフォルトチャネルグループで「ユーザータイプ」を選んでください。
直帰率で降順にすると以下のようなレポートを見ることが出来ます。

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Displayはディスプレイ広告からの流入、Paid Searchはリスティング広告からの流入を表しています。
ここを確認することで、直帰率の著しく高い広告はあるか、もしくは改善をした場合の変化を見ることが出来ます。

改善施策の打ち方として、アドネットワークで広告配信をしていたならば配信面を変えてみる、リスティング広告経由であれば広告文を変更してみる、など流入してくるユーザーの質を変えるように施策を打つことで直帰率の減少を狙ってみてもよいでしょう。

リピーターかつ商品詳細も見ているユーザーを確実に購入につなげる(比較検討段階での課題)

Top以降のページに初回訪問後、リターゲティング広告の配信やオウンドメディア等を通じて何度かそのユーザーにサイト訪問をしてもらったとします。
ですが、商品詳細ページなどサイト内の深い階層に来てくれているユーザーとはいえ購入してくれないことも多いですよね。
この時、購入前の比較検討段階で他社を選んでしまっている可能性があります。
それがどれだけいるか確認をしてみましょう。

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[行動→サイトコンテンツ→ディレクトリ]を開いてください。
この「ディレクトリ」という項目は、サブドメインごとで分けてあるため、商品番号のみ違う商品詳細ページをまとめて見る時に使い勝手がいい項目です。

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画面右上にある、「+セグメント」をクリックして下さい。
これは、見たいレポートの項目の中で、さらにユーザーを区分できる機能です。

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ここでは、「コンバージョンに至らなかったユーザー」を選択し適用をクリックします。
さらにセカンダリディメンションで「ユーザータイプ」を選択すると以下のようなレポートが表示されます。

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これで離脱率を見ると、「リピーターかつ商品詳細ページに来ているが購入をせずに離脱したユーザーの割合」を見ることが出来ます。
購買ファネルの比較検討段階において、この割合をKPIと設定してもよいでしょう。

[items]をクリックすれば商品ごとのページでの離脱率も分かるので、最も離脱率の高いページの改善を行うことが可能です。

この段階での別の施策としては、ユーザーが他社と比較した際の検索ワードをリスティング広告で確実に押さえる、リターゲティング広告でユーザーをしっかりと購入まで導く、などして購入率の上昇を図る施策が挙げられます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
2章でご紹介した3つのKPIは一例なので、サイトの目的によって異なってくるとは思いますが、ユーザーが購入するまでの行動を細分化した購買ファネルの各段階で適切なKPIを設計することで、その目的を達成するためのWebマーケティング施策を効率的に考えることが出来ます。
またGoogleアナリティクスを使うことで、KPIに設定出来そうな様々な数字を簡単に見つけてこれるので、ぜひ使ってみてくださいね!


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砂森翔太

nex8事業部で営業を経て現在マーケティングを担当。リターゲティング広告は人に新しい価値を提供できると信じ、その辺りを誰にでも分かってもらえるよう、日々活動中。好きな坂は欅坂。

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