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CPAやROASより大事!? 顧客のLTVを把握してビジネスチャンスを掴もう!


こんにちは。nex8事業部の井上です。
人生三回目のブログです。
前回、前々回とネット広告における指標のCPA(獲得単価)ROAS(売上回収率)ROI(利益回収率)について解説してきましたが、今回は上記を設定する上でも欠かせないLTV(顧客生涯価値)についてお話します。

このLTVは、リピート商材を扱っているECサイトの場合、特に重要な考え方となり、今までとは違った角度からプロモーションを構築する事が出来ます。
ぜひ参考にして頂ければと思います。

LTVとは

LTVとは、Life Time Valueの頭文字を取った略語で、日本語で「顧客生涯価値」と言います。
企業と顧客が継続的に取引をすることによって、顧客が企業にもたらす価値(利益)を見る指標です。

もともとダイレクトマーケティングで顧客満足やロイヤリティを上げることの効果を示唆していましたが、この考え方で重要なのは、短期的な売上・利益だけで考えないという点です。

ECサイトの場合だと、広告等で集客したユーザーがその時1回の購入だけでなくリピーターとなって商品を購入してくれることで、自社と取引のある期間全体で売上や利益をどれだけもたらしてくれたか、を見る指標であると考えることが出来ます。

LTVの計算方法

LTVは、物販だけではなくどんなサービスにおいても計算できますが、特にリピート購入が前提の商品で重要となります。
LTVを導き出すには様々な算出方法があるのですが、コストを含めた以下の計算式をこの記事内では使います。

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またここでは、

新規獲得コスト=新規獲得目標CPA+人件費等その他のコスト
既存獲得コスト=既存維持CPA+人件費等その他のコスト

としています。
つまりLTVはリピートを加味した上での売上やコストを計算することで導くことが出来るのです。

しかし、なぜこのような計算をしてLTVを考えなくてはいけないのか。
次の章で実際の数字を用いて考えてみましょう。

LTVの必要性

なんの為にLTVを考えるのか。
結論から言うと、LTVを加味してCPAを設定し、プロモーションを行うことで誤った広告投資を防ぎながら、新たなビジネスチャンスを生むことが出来るからです。

短期的に見て利益が出ていても結果的に赤字だと何の意味もありません。
さらに長期的な利益拡大の可能性や選択肢を狭めてしまうこともあります。
LTVを把握し販売規模を拡大するチャンスをしっかりものにする事がとても重要となります。

実際に、LTVを加味した目標CPAを考えて見ましょう。
最もシンプルな計算方法で算出された目標CPAは以下となっています。

粗利(平均購入単価-原価)(5,000円)-人件費等その他のコスト(1,000円)-利益(1,000円)=目標CPA(3,000円)

見て頂ければ分かるように、この算出の仕方では必ず利益が出るように目標CPA3,000円と設定しています。
もちろんこれでも全く問題はありません。
ですが、この時に獲得したユーザーがその後3回リピート購入をしてくれたと仮定すると、実は許容CPAは10,000円まで上げられるのです。

許容CPAを10,000円とした場合を、まずは初回購入だけで考えてみましょう。

粗利(5,000円)-人件費等その他のコスト(1,000円)-利益(-6,000円)=目標CPA(10,000円)

初回購入だけでは、6,000円の損失となることがわかります。
ではLTVの考え方を足して計算してみます。

新規購入とリピート購入に分けて考えると、

LTV=粗利(新規顧客)新規獲得コスト粗利(既存顧客)×リピート購入回数既存維持コスト×リピート購入回数

となります。これに数字を入れると、

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計算を簡略化するため粗利率62.5%、新規顧客と既存顧客に対する粗利を等しくし、人件費等その他のコストを1回商品購入が起こるたびに1,000円ずつ発生すると仮定しています。

また、一般的によく言われる「新規顧客獲得費用は既存顧客維持の5倍費用がかかる」という1:5の法則から、リターゲティングやメルマガ配信を通じて既存顧客がリピート購入してくれる際のCPAを新規獲得CPAの5分の1として計算をしています。

この場合、4回目の購入で最初に出た損失を0にし、5回目の購入から2,000円ずつ利益が出ることになります。

新LTVの表

このようにLTVを加味する事で新規顧客獲得に対しての許容CPAを上げる事が可能になってきます。

許容を上げると、ネット広告における入札単価を引き上げることができ、結果的にコンバージョン数の増加(新規顧客数の増加)を見込めるので、長期的に見た利益の向上に繋げる事ができるのです。

LTVを知ることで、今より広告費を上げて新規獲得に努めるべきなのか、長期的な視点で既存顧客を維持することに重きを置くのかの判断がしやすくなります。

自社が今現在何に力を入れるべきなのかが分かると、最も自社サイトにあったプロモーションを見つけやすくなるので、顧客のLTVをしっかりと把握しておくことが大切と言えます。

LTVを最大化するためには

最後にLTVを最大化させるためにすべきことを考えていきます。

LTV=粗利(平均購入単価×粗利率)×購入回数-(新規獲得コスト既存維持コスト

これを最大化させるためには、

■粗利を上げる
■リピート回数(購入回数)を増やす
■コスト(新規獲得、既存維持)を下げる

の3つが挙げられると思いますので、それぞれ説明していきます。

■粗利を上げる
粗利は1人の顧客が1回の購入で使った金額から原価を引いた金額になります。
よって粗利を上げるためには、平均購入単価を上げるか原価を下げるかが考えられます。

1回の平均購入単価を上げるために、まとめ買い促進や、商材の値段に松・竹・梅を付ける販売手法もあります。
ですが、1度に大量に購入してもらって単価だけを上げるよりも、長い目で見た時に継続して購入してもらった方がより多くの利益をもたらす傾向もあったり、単価を上げすぎても買ってくれなかったりということがあるので注意が必要です。

また原価を下げる方法は、例えば仕入先を変更する、製造を効率化するなど色々と施策があるかと思いますので、自社にあった方法を見つけてみて下さい。

■リピート回数(購入回数)を増やす
既存顧客に対しての維持CPAは新規獲得のCPAよりも少なく済むので、リピート購入をしてもらえれば、その分だけ利益の増加、つまりLTVの増加が見込めます。

新規顧客を集めるだけではなく、顧客と中長期的な関係を構築していくために既存顧客の声を聴き、いかにニーズの合ったものを提供出来るかが、自社サイトのファン(リピーター)を増やす為に必要な事だと思います。

リピート購入回数は購入頻度と継続期間で決まるので、CRM(※)等のツールを用いて顧客の状況に合わせた最適なフォローをすることで、継続的に利用してもらえる施策を考えていくことが重要です。
※CRM:「Customer Relationship Management」の略語であり、日本語では「顧客関係管理」という。

■コスト(新規獲得、既存維持)を下げる
新規獲得にどれだけ出資できるのか、既存顧客を維持するのにどれだけ出資するのかバランスを考える事はとても重要になります。

新規顧客を獲得するため、まずは自社の商品やサイトを知ってもらわなければなりませんが、その為にはある程度の広告宣伝費が必要となってきます。
また一旦市場が飽和すると新規獲得が頭打ちになり競合他社との販売シェア獲得競争が激しくなっていく傾向もあります。
コストを下げることで新規顧客と既存顧客のどちらも逃してしまう、ということも考えられるため、あまり得策ではないのかもしれません。

以上の3点からLTVを最大化させるためには、顧客ニーズに合った製品やサービスを、新規獲得や顧客維持のコストバランスを見ながら、顧客との良好な関係を中長期的に築いていくことが大切なのではないでしょうか。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今年の9月から初めてブログを書いていますが、お客様と打ち合わせをする際に目標CPAが不透明だったり安易に設定されていたりといった方が多い印象でしたので、3回に渡りネット広告を出稿する上での重要な指標についてご紹介しました。

どんなサービスにおいても言えることかもしれませんが、最終的には獲得した顧客と継続的な関係を築くことが、自社や自社サービスを大きくさせ、新たなビジネスチャンス掴むことが出来るのだと思います。


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井上翔太

2014年ファンコミュニケーションズ入社。 nend事業部で広告主サイドの営業・運用経験を経て、2015年からnex8事業部に従事。 “「よくぞ、出してくれた!」なんて言われる広告を”をモットーに、日々奮闘中。 湘南生まれ湘南育ち。

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